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65.0

†††65.0


そして時は戻り、現在。

アヴィンの関所。

二人は城壁の上にて西の国が進行してきている平野を見下ろしている。


「作戦に変更はないね?」

「うん。ないよ」

少年はホルトゥンの問いかけにうなずいた。

「ふーっ。じゃあ、いっちょ、がんばろうか!」

ホルトゥンが思いっきり伸びをして、気合いのかけ声を入れる。

そんなホルトゥンを少年はじいっとみつめた。

「どうしたんだい?」

少年の様子が少し変なことに気づいてホルトゥンは少年を見つめ返す。

「・・・・・・き、緊張してないの?」

その言葉を聞いてホルトゥンは興味深そうに目を見開いた。

「へえ・・・・・・」

「な、なんだよ」

そんなホルトゥンの視線が気味悪くて少年はすこし仰け反った。

「いやいや、君からそんな言葉が出るとはね」

「え?」

ホルトゥンがおかしそうに口を歪めるのを見て少年はぽかん、と口を開いた。

「アウルの奴から聞いてるよ。君は盗賊にも一切臆さなかったそうじゃないか。その君が今緊張してるのかい?」

くくく、とホルトゥンがなおも笑い続けているのを見て少年はいささか腹が立った。

「あー、はいはい。わかったよ。で、緊張してるの?してないの?」

ホルトゥンはにやけ顔のままで手のひらをひらひらさせた。

「してるよ。当たり前だろ」

少年はそんなホルトゥンの顔を見、ふと視線を下へ反らした。

「・・・・・・もう一つ、いいかな」

「言ってみなよ」

少年はゆっくりと顔を上げホルトゥンと目を合わせる。ホルトゥンも少年の目をしっかりと見据えた。

「・・・・・・君はこの作戦うまくいくと思う?」

ホルトゥンはしばらく少年を見つめ、表情を崩し、笑顔を作った。

「僕はこれ以上の作戦は無いと思ってるよ」


†††

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