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63.0

†††63.0


「僕の『幻影』で攻撃したときの反応に個人差がありすぎるんだよ。ある兵士は本当に攻撃されたと思いこんでしまってショックに陥ったり、また別の奴は違和感に気づいて看破しちゃったり」

「違和感?そんなものがあるの?」

とうとう少年は食材とナイフを簡易テーブルの上に置いて焚き火を挟んでホルトゥンの正面に座り込みました。

「あるさ。極端な場合だけど・・・・・・壁を作ったとしようか。兵士たちの前に遮るような壁を」

ふんふん、と少年がうなずくのを確認してホルトゥンは続けます。

「で、兵士たちがその壁に体当たりしてしまったとする。その時、兵士たちはほぼ確実に壁を通り抜けてしまう」

「なるほど」

「僕が作れるのは壁の幻影であって、実体じゃない。だから体当たりの衝撃を殺すことはできないんだ」

うーむ、と少年が難しい顔をする。

「ややこしいなあ・・・・・・」

「ははは、よく言われるよ。わかりにくい上に使い勝手が悪いって。うまく使えば良い魔法だと思うんだけどなあ」

ホルトゥンはおそらく国の大臣連中のことを言っているのだろう。ホルトゥンの『幻影』をないがしろにするような発言をした連中のことである。

「やっぱりわかりにくいよ。いつもどんな風に使ってるの?」

「いつも?」

「戦争の時はいつもどんな風に?」

ああ、とホルトゥンは苦笑いしつつ頭を掻き、言い放った。


「僕、今回が初陣だよ!」


†††

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