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「魔法陣?」

「そう、魔法陣。魔法の力を引き出すためのものよ」

「あたしなんでこんなところに立たされたの?」

「なにかの魔法をかけようとしたのよ」

そう言いつつアリスはポケットから小さなナイフを取り出した。

「これで魔法陣に傷を付けるわ」

「それで上手く行くの?」

「行くわ」

アリスはかがみこんで魔法陣を床ごと切り始めました。

床にナイフをぎりぎりと突き立てて陣に傷を付けます。

陣の線を横断するようにナイフで線を引くと、

「これで大丈夫。あたしは行くわね」

「えっ、魔女が来たらどうするの?」

少女がそう言ったときにはアリスはもうドアに手をかけていました。

「大丈夫。何も起こらずに魔法は失敗するわ」

アリスは出ていってしまいました。


†††

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