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「へっくしゅん!」
「風邪?大丈夫?」
アリスがくしゃみをした少女に尋ねます。
「ううん、大丈夫。きっと誰かがあたしのこと話してるだけよ」
一緒に倉庫で魔女に隠れてパンを食べているときに少女はくしゃみをしたのです。
「最近魔女が出ていくことが多いわよね」
パンをかじりつつ少女はアリスに聞きます。
「そうね。昼に出かけることも多いわね」
「じゃあ、その時間にここに来るってのは・・・・・・」
そう提案した少女の言葉に、しかしアリスは首を横に振りました。
「ダメよ。魔女の帰ってくる時間が全然予想つかないもの。倉庫にいるときに帰ってきたら大変よ」
「今だって危ないんじゃないの?」
「この時間に魔女がいたことは無いのよ。一度もね。だからここに来るならこの時間なの」
「一度も?」
「一度もないわ」
アリスはパンをかじり、ごくりと飲み込みました。
「魔女って今何してるのかしら」
「何でしょうね」
翌日、アリスと少女は昼の掃除をしつつ、雑談をしていました。
「・・・・・・ねえ、魔女って何ができるの?」
「え?」
アリスは予想外の質問だったようで驚いた声を出しました。
「ふと浮かんだのよ、魔女って何してるんだろうって。で、」
「・・・・・・何ができるのかって?」
アリスが少女の言葉の続きを代わりに口にした。
「そんなのあたしも知らないわよ。別に助手ってわけじゃないし。でも逆らわない方がいいとは思うわ」
「どうして?」
「どうしてって・・・・・・。あなたをさらってきたのは魔女よ?その相手に逆らうなんてどうかしてるわよ」
「そうかしら・・・・・・」
†††