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44.0

†††44.0


「さ、どうぞ」

門番が屋敷の入り口まで着いてきて呼び鈴を鳴らした。するとすぐに執事らしき人物が扉を開けた。

「この子が例の子だそうだ。旦那様の所まで案内して差し上げてくれ」

「わかった。・・・・・・ようこそおいでくださいました。どうぞお入りください」

そう言って執事は少年を中に入れた。


執事に連れられて豪華な廊下を歩く。長い廊下にいくつも部屋が並んでいて、そのうちの一つで執事は立ち止まり、ノックした。

すると中から男が扉を開けた。

「旦那様は?」

執事がその男に聞く。

「今は起きていらっしゃる」

「わかった」

執事が部屋に入り、部屋の奥にある扉の前で止まり、

(こちらです)

と手で示している。少年がその扉の前に立つと、

「旦那様、よろしいでしょうか」

「なんだ?」

「件の少年がいらっしゃっています。お会いになられますか?」

「もちろんだ。お通しせよ」

執事が扉を開け、お辞儀をする。少年が入ってもいいのか、と執事の顔を見ると、執事は軽くうなずいた。

「ああ!来てくれたのか!」

『旦那様』は部屋に入った少年を見るとそう言った。

『旦那様』は大きなベッドから体を起こしていた。体中に包帯を巻いている。

少年はあわてて駆け寄った。

「あああ!横になって寝ていてください!ええと、旦那様」

『旦那様』は素直に横になった。そしてくっくと笑うと、言った。

「気を使わなくてもいいよ。君には命を救われた恩がある」

「わかった。じゃあ、他の人と同じように接します」

『旦那様』、いや男はその言葉にうなずいた。

「あなたは何者なんですか?」

少年は気になっていたことを男にずばり聞いた。

「私は君が設定したようにこの国の貴族で、正に王様の家臣だ」

「じゃあ、僕のついた嘘は・・・・・・」

「嘘ではなく本当だった、というわけだ」

そこで男はハハハ、と笑った。

「びっくりしたよ、全く」

快活そうに笑う男につられて少年もははは・・・・・・と力なく笑った。


†††

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