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ヒール最高  作者: 猫美
幼少編
5/90

ヒールを試した日のノイナ(家政婦)

「ウィル坊ちゃま~?ウィル坊ちゃま~?」


お屋敷の中をお探ししたのですが、見当たらず、今は庭を探してさまよっているのですが・・・見当たりません。

ウィル坊ちゃまは、どこに行かれたのでしょう?

万が一・・・ということも考えられます。

早くお探しせねば!


「あらあら、ノイナ。どうしたの?」

「ぁ、リリー奥様。

 も、申し訳ありません。

 先ほどから、ウィル坊ちゃまのお姿が見当たらないのです」


ちょっと目を離した隙に・・・なんてのは言い訳にしかなりません。

ひたすらに謝り、一刻も早く探し出さねばなりません。


「あら、それなら・・・」

「え?」

「少し前に、

 『かあさま、町をみてきます』

 って言うので、

 『気をつけて行ってらっしゃい』

 って見送ったのよ。

 ノイナに伝えておくべきだったわね。

 ごめんなさい」

「いえ・・・私のことはいいのですが・・・ウィル坊ちゃま、お一人で行かれたのですか?」

「そうねぇ。

 お友達と行くとは聞かなかったのだけれど」


い、いくらなんでも放任主義過ぎます。

こ、これは急いでお探しせねばなりません。


「お、奥様。

 いくらなんでも危険過ぎます。

 ウィル坊ちゃまは、しっかりしたお子ではありますが、まだ3歳です。

 誘拐・・・は無いかと信じていますが、大人の力には逆らえません。

 どこかでケガをしているかも知れません」

「あらあら。

 確かに、そういう心配はあるかも知れないけれど・・・ノイナは心配しすぎじゃないかしら?」

「いいえ、奥様。

 心配しすぎということは、決してありません」

「男の子なんですから、少しくらい、やんちゃでもいいと思うのだけれど?」


奥様がやんちゃ過ぎます!・・・とは言えない私。


「私、急いで探しに行って参ります」

「あらあら。そう?悪いわね」

「では、行って参ります」


取る物も取り敢えず、町に出て聞き込みです。



買い物なじみのおやっさんから有力情報を得ました。

なんでもウィル坊ちゃまらしき子供が、町の外の方へ歩いて行ったそうです。


何故、そこでお止めしないのかっ!


と理不尽なことを言いたくもあったのですが、まずは坊ちゃまの安否が大事です。

こちらの外には枯れ森しかなかったはず。

誘拐の危険も少ないはずです。

枯れ森には、危険な野生動物も居なかったはずです。

ある意味、一安心と言った所でしょうか。

町の外へ急ぎましょう。


「あれ?ノイナさんじゃないか。

 そんなに急いでどこに行くんだい?」

「あ、ジャックのおやじさん。

 ご無沙汰しております。

 ウィル坊ちゃまが、こちらの方に来たと聞いて、大急ぎでやってきたのです。

 見かけませんでしたか?」

「ウィル坊ちゃんって~と、ランカスターんとこの坊主だな?」

「はい。

 まだ3歳の小さな子なのですが、枯れ森の方へ歩いて行ったという話を聞きまして・・・」

「ふ~む・・・じゃぁ、あれが坊ちゃんだったのかな?」

「!?・・・何かご存知なのですね!?」

「ぁ、あぁ・・・なんか小さい坊主が、肩を落としながら町の中心へ向かっているのを見たからな」

「えぇっ!?

 い、いつですか!?」

「あぁ、それこそ、今しがただよ」


な、なんということでしょう。

これは急いで戻らなければなりません。


「私は急いで追わねばなりません。

 貴重な情報、ありがとうございました。

 また、お店の方には、今度寄らせていただきます」

「ぁ・・・あぁ・・・すぐに追いかければ見つかるさ」

「はい!ありがとうございます。

 それでは失礼します」


なんということでしょうか。

いえいえ。

貴重な・・・それこそ珠玉な情報を頂きました。

急いで町中に戻りましょう。


「ウィル坊ちゃま~!」



あれからすぐにウィル坊ちゃまを見つけることができました。

ああ、ご無事で何よりです。

お手々を引いて家に帰りました。


それからと言う物、ウィル坊ちゃまが、町へ出かけているようなのです。

ふと、半ルーオ(35分程度)~1ルーオ(70分程度)ほど、ウィル坊ちゃまを見かけない日があったのです。

思い返してみると、毎日、半ルーオ程度見かけないのです。

リリー奥様と一緒なのかと思い、確認をしてみたのですが、


「ノイナと一緒だったんじゃないの?」


との仰せ。

こっそりと抜け出しているようなのです。

本当に、本当に偶然、買い物の途中で、ウィル坊ちゃまらしい後ろ姿を見かけたのですが、その日は見失ってしまいました。

ウィル坊ちゃまに限って、悪さをしているとは考えにくいのですが、もし、ここでウィル坊ちゃまが悪の道に走ってしまっては、ランカスター家の家事を預かる身の名折れ!

なんとしても確かめねばなりません!

と、心に誓って、こっそりと監視しているのですが・・・今日もまた、気がつくとおりませんでした。


「ウィル坊ちゃま~?」


次回「前世の記憶に苦しんだ日」


Twitter @nekomihonpo

まだまだ駆け出しの段階で評価をいただき、ありがとうございます。

その評価に恥じぬよう・・・ご期待に添える展開を書くことが出来ればと思っております。では。


変更箇所

会話前後に空行追加

次回タイトルの追加

刻→ルーオ


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◆用語 ●幼少期人物一覧
 ●学院初等期人物一覧
 ●学院中等期人物一覧
 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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