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ヒール最高  作者: 猫美
学院初等編
29/90

魔法の授業の日のラルタイア(級友)

この寮は、食事がおいしい。

食事がおいしいってのはいいよね。

身体がほかほかしてきて、幸せな気分になる。


談話室で、仲良くなったインティーと、まったりおしゃべりしてたら、先輩に話しかけられた。


「ねぇねぇ。

 ルーパの魔法学科に・・・

 え~っと・・・

 コニル、名前なんて言ったっけ?」

「えぇ!?

 レアルス、私、知らないよ。

 見てないんだから」

「ああ!そうだった。

 え~っと・・・

 黒髪の女の子と一緒にいる、

 男の子がいるじゃない?」


黒髪の女の子っていうと、ミレイしか思い当たらない。

ミレイと一緒となると、ウィルかな?


「ええ」

「知ってるのね!

 その子、連れてきて!」

「レアルス、無理無理」

「なんでよ!」

「ここ、女子寮」

「うぁ~っ!なんでよ!」

「はい。無茶言わない。

 ルーパの子らも、ビックリしてるわよ」

「ああ、ごめんね。

 え~っと・・・

 コニル、どうしよう?」

「ルーパだから、

 1巡りごとに帰っちゃうよねぇ」

「休日に呼び出せないじゃない!」

「授業が終わってから・・・

 ってのも、ルーパとルーバシーじゃ、

 時間が違うしねぇ」

「う~」


えっと・・・ウィルを呼び出すってことよね?

・・・なんで?


「先輩、先輩」

「ん?何かな?後輩」

「ウィルが何かしたんですか?」

「おお!そうそう。

 ウィルって名前だった!

 そっかそっか。

 ラルタイアちゃんは知り合いな訳ね」

「ええ・・・まぁ」

「よしよし。

 じゃぁ、どうやって会うかよね」

「どうしてですか?」

「ああ、んとね。

 レアルスが見たって言うんだけど、

 その子、ヒールでの治療がすごいんだって」

「そう。そうなの!

 しかも、知らない方法まで織り交ぜてるモンだから、

 ウチの治療班が落ち込んだり、

 やっきになったり、

 大変なことになってるのよ」

「ヒールですか?」

「そうよ?」


え?でも、今日、呪印魔法の講義受けてたよ?

インティーの方を見る。

インティーも不思議そうな顔をしている。


「インティー。

 ウィルって、今日、呪印魔法に出てたんだけど・・・

 神聖魔法なの?」

「わかんない。

 ラルタイアが見たんだから、

 呪印魔法に出てたのは間違いないけど」


今度は先輩方が不思議そうな顔をしている。


「呪印魔法なの?」

「ええ・・・

 呪印魔法に出てましたけど」

「そういえば、神聖魔法の授業免除とか言ってたっけ」


免除って・・・受けなくていいってこと?


「ええ!?

 なんですか、それ!」

「いや。

 トラウィス先生と、

 そんな話をしてたけど?」

「トラウィス先生と?」


トラウィス先生ってのは、神聖魔法の受け持ちの先生だ。

で、先生から、授業免除って・・・何をしたら、そうなるのよ。


「え~っと・・・

 トラウィス先生とサララケート先生、黒髪の女の子と一緒に、

 ルーバシーの練習してる所に来て、

 見事なヒールをしてみせたら、

 授業免除になった?」

「ええ!?

 だって、まだ、魔法の授業、初日ですよ!?」

「まぁ、でも・・・

 目の前でやられちゃったし・・・

 あの子がヒール使えるのは、

 間違いないよ?」

「ずるい!」


インティー・・・ずるいって・・・

まぁ、解らないでもないけど・・・


「で、先輩たちは、

 ウィルに用なんですよね?」

「そう!そうなのよ!

 呪文を教えてもらわないと!」

「え?」

「ヒールの前に、

 傷口から鎧の破片を取り除く・・・

 って呪文を使ってたのよ!

 それを教えてもらわないと!」

「先輩たちの知らない呪文ですか?」

「先生に聞けばいいんじゃないですか?」

「トラウィス先生に聞いたら、

 『う~ん、あれかぁ。あれはなぁ』

 とか、適当なこと言って、

 全然教えてくれないんだもの!

 本人に聞くしかないじゃない!」

「な、なるほど」

「って、ことで・・・

 私たちの間を取り持って!」


レアルス先輩に手を握られた。

すごく一生懸命だ。


「は、はい」

「そっか~。ありがとー!」


手をぶんぶんと振られる。

ちょっと、びっくり。


「じゃぁ、どうするかは、

 コニルと相談してからにするね」

「ありがとね~」


先輩方が、にっこにこで談話室から出て行く。

インティーと二人・・・顔を見合わせる。


「授業免除だって・・・」

「ヒール使えるんだって・・・」

「なにそれ・・・」

「すごいし、ずるいんだ~」

「アハハハハ」

「ウフフフ」


なんか、おかしくなって二人して笑っちゃった。

もう、頭の中、ごちゃごちゃだよ。

ウィルに細かいこと聞かないと、納得いかないんだ。


次回「霜降りの日」


Twitter @nekomihonpo


ちょっと短めですかね。

がんばります。


変更箇所

合う→会う(指摘感謝)

次回タイトルの追加

カッパー→ルーパ

シルバー→ルーバシー

カッパーとシルバーの変更漏れ(指摘感謝)



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◆用語 ●幼少期人物一覧
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 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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