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ヒール最高  作者: 猫美
学院初等編
23/90

寝耳に水の日のミレイ(家事手伝い見習い)

「た、ただいま」

「・・・ただいま」

「おかえりなさ~い。待ってたのよ~。

 どこまで行ってたの?」


・・・なんか、リリー奥様・・・嬉しそう。

・・・最近、やっと・・・リリー奥様っていうの・・・慣れたの。


「いえ。ちょっと町の周囲を・・・小川の辺りとか」

「ああ、あの辺ね~」

「そ、それで、母様。どうしたのですか?」

「魔法特性を測定しましょう」

「はぁ。測定出来るモノなんですね」

「ええ。そうよ~。

 じゃ~ん。測定の水晶~」


・・・スゴイ。青くて・・・白いのが動いてて・・・綺麗。

・・・リリー奥様が嬉しそうなのは・・・コレ?


「これで特性が解るのですか?」

「そうね。呪印魔法の特性と、大まかな属性まで解る優れ物よ」

「でも、お高いんでしょう?」

「あらあら。うふふ。何?その言い回し」

「え・・・いや・・・そう言わなければいけない気がしまして」

「そうね。ちょっと高いかしらね~」

「いいんですか?そんなことにお金を使って」

「いいのよ。ウィルとミレイちゃん」


え?・・・ボクも?


「後々は孤児院の子供達にも使えるのだから」

「なるほど」

「さぁさぁ、ウィル、触ってみて」

「普通に触るだけでいいんですか」

「そうよ~。お手軽でしょ」

「お手軽ですね」

「特に変化はありませんね」

「そうみたいねぇ。

 ウィルは呪印魔法の素質が無いみたい。

 残念だわ」

「まぁ、父様も母様も呪印魔法使えませんからね。

 素質が無くて正解なのかも知れませんよ」

「そうねぇ。

 じゃぁ、ミレイちゃん、触ってみて」


ゃ、やっぱり・・・ボクも触るんだ。


「ぅ、うん」


そ~っと・・・そ~っと・・・


ぴと。


わ・・・わ・・・なんだろ?

・・・白いのが動いてる。

・・・綺麗。


「あらあら。

 ミレイちゃん、スゴイわ。

 水か・・・氷の素質があるみたい。

 スゴイわ~」

「・・・ぇ?」


素質!?

素質って!?

ボク・・・魔法が使えるの!?


「色が属性を示しているのですか?」

「そうなのよ。

 先生をお呼びして本格的な授業を」

「ゃ・・・まって・・・」

「あら?ミレイちゃん、授業は嫌?」

「だって・・・お金・・・勿体ない」

「あらあら。そう?

 折角の素質なのに勿体ないわ~」


お金の方が・・・勿体ない。

ボク・・・メイドさん・・・だし。


「母様、普通は家庭教師を付けるものなのですか?」

「そうねぇ。

 最近だと、学院で学ばせて・・・ってことの方が多いかしら」

「じゃぁ、学院でいいんじゃないでしょうか」

「そう?そうよね。

 学院なら、色々な事が学べるし。

 じゃぁ、ウィルと同じ学院でいいかしらね」

「ところで・・・母様、学院に行くという話は初耳なのですが」

「あらあら。そうよね。そうだったわね。

 7歳から学院に通うのよ」

「ゃ・・・まって・・・」

「あら?何かしら?」

「・・・学院も・・・お金掛かる」

「いいのよ。気にしなくて。

 ミレイちゃんはウチの子も同然なんですから」

「・・・ぁぅ」


お金・・・勿体ないのに・・・

こうなると・・・だめ。

ウィルに止めて・・・貰おう。

・・・ウィル・・・助けて・・・


「いいじゃないですか。一緒に通いましょう」


ああっ・・・助けてくれない。


その後は・・・リリー奥様とウィルが・・・学院の話で盛り上がって・・・

ボク・・・黙って聞いてるしかなくて・・・

ぅぅ・・・お金勿体ないのに。


「所で・・・母様。

 全寮制だと、ミレイが心配なのですが・・・」


ん!?・・・心配?・・・ボク?

急に・・・ボクの名前出てきて・・・何?


「あら。どうして?」

「ぃゃ・・・ウチは気にしていませんが、

 世間的には忌み人と見られてしまいますよ」

「あらあら。そうね・・・どうしたものかしら?」

「・・・そう・・・だから・・・やめよぅ?」

「寮の方は、お願いしてウィルと一緒にして貰いましょう」

「そんなことが出来るんですか?」

「・・・ぁぅ」


リリー奥様・・・止まらない・・・困る。

・・・ウィルもがんばって。


「大丈夫よ。学内ではウィルが守ってあげるのよ?」

「それはもちろんです」

「・・・ぅ」


守ってくれる・・・って・・・

う・・・うれしいけど・・・そうじゃなくて・・・

リリー奥様を止めて・・・欲しい。


「じゃぁ、今日は、ミレイちゃんの学院生活の服を見に行きましょう♪」

「ぁぅ・・・お金・・・勿体ないの」

「じゃぁ、僕は」「ウィルも一緒に行くの」

「え?」

「一緒に行くの」

「「・・・はぁ」」


お金勿体ないのに・・・町の綺麗なお店に連れて行かれたの。

リリー奥様にとっかえひっかえ・・・綺麗な服着せられて・・・

色々着せられたけど・・・パーティ用ドレス・・・綺麗だけど・・・ボク、メイドさんでお仕事だと思うの。

ウィルに・・・助けを求めても・・・

「似合ってますよ」とか・・・「かわいらしいですね」とか・・・

ぁぅ・・・そうじゃないのに・・・


「やっぱり・・・お金・・・勿体ない・・・」

「そうね。勿体ないと思う気持ちは大事だわ。

 だけどね、お金を持っている人が使うという事も大事なのよ」

「え?」

「この服を買うと、服を作った人にお金を払うことになるの。

 そうすると、服を作った人が、

 そのお金を使うことが出来るようになるわ」

「じゃぁ・・・リリー奥様のふ」「ってことで、この服なんてどうかしら?」

「ぁぅ・・・」


次回「面接の日」


Twitter @nekomihonpo


なるべく、台詞の二度読みにならないような形にしていければ・・・と意識の方向性を変えつつ・・・まだ、出来てない段階です。


変更箇所

いいよの→いいのよ(指摘感謝)

家事手伝い→家事手伝い見習い

次回タイトルの追加

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◆用語 ●幼少期人物一覧
 ●学院初等期人物一覧
 ●学院中等期人物一覧
 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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