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ヒール最高  作者: 猫美
幼少編
20/90

嘘を吐いた日のウィンザー(父親)

ウィルが珍しくおねだりをしてきた。

ネックレス用の鎖が欲しいという。

また、不思議なモノを要求してきたな。と思っていると・・・

ハルトティータ殿からイヤリングを預かったという。

息子がヒールを使えるという事にも驚いたが、

・・・リリーも驚いていたな。リリーが教えたのではないのか?

まぁ、それはそれ。

ハルトティータ殿の名前が出てくるとは思っていなかった。


「・・・では、これにて御前会議を閉会する」


ぬ?どうやら、考えに沈んでいたようだ。

御前会議が終了してしまった。

・・・ハルトティータ殿の事を報告しない訳にはいくまいな・・・

侍従長の下へ向かうか。


「ラルテマ殿!」

「うん?ランカスター殿、何か用かな?」

「その・・・陛下にご報告したい儀がございまして・・・」

「ふむ?先ほどの会議では報告できないような事かな?」

「はっ。あまり大っぴらに話せる内容ではないため、内密に・・・」

「ふむ・・・とは言え、何の話かも解らなければ、ランカスター殿でも無理というモノ」

「確かに・・・そうですな・・・実は、先日のエルフに関する事でして・・・」

「何!?そうか・・・しばし待たれよ」


ラルテマ殿が陛下の下へ向かう。

しばらくすると、別室へ案内された。

陛下の前でひざまずく。


「陛下、無礼の段、平にご容赦」「よい。話せ」

「はっ。

 先日、エルフの一族より、ハルトティータ殿がイヤリングを人族の子供に貸与した・・・との連絡があった件に関してですが」

「何か解ったのか」

「はっ。

 実は・・・その・・・人族の子供とは、ウチの息子のようでして・・・」

「何!?どういうことか」

「息子の言葉によれば、ハルトティータ殿の小鳥を治してさしあげた所、いたく感謝され、預かったと・・・」

「ふぅむ」

「治したとは?」

「息子は神聖魔法を使うことが出来まして、ヒールをして癒したとの事です」

「ほほう。

 確か、まだ幼かったのでは?」

「6歳にございます」

「ほぉう。

 もう、そんなになるか。

 いや、しかし、その歳でヒールが使えるとは、大したものよな」

「ははぁ」

「息子の言葉・・・と言うからには、違うと踏んでおるのだな?」

「はっ。

 さすがに・・・小鳥を癒してさしあげたからと言って、イヤリングを預けるか・・・という点が不自然かと・・・」

「ふむ。そうよな・・・」

「口止めされている可能性もありますので、追求はしておりませぬ」

「賢明な判断だな。

 久しく、親交の途絶えていた彼の一族との絶好の機会だ。

 この好機を逸する訳にもいかん」

「ランカスター殿の息子より、譲り受ける必要はございますかな?」

「ふむ・・・いや、やめておこう。

 ハルトティータ殿の信頼の証だ。

 下手なことをして、機嫌を損ねられても困る。

 ランカスターよ」

「はっ」

「その預かり物、無くさぬよう気をつけい」

「はっ」

「何かあるようなら、影から、表から、手助けをいたせ。

 また、場合によっては、国を挙げて対応せねばならぬ。

 報告を怠るなよ」

「ははぁっ」


退出し、一息吐く。

国を挙げての対応・・・そうならない事を願う。

ウィルに何事も無いのが一番なのだ。

それこそ、国に預けてしまっても良いのだが・・・


「ランカスター殿」

「ラルテマ殿・・・何か?」

「うむ。

 さすがに、驚く内容であった。

 内密な話も致し方ない事態だと思う」

「そう思っていただけるか・・・」

「個人としては、国に預けていただけると、何かと安心なのだが・・・」

「そ、それは、こちらとしても」

「だが、王がおっしゃることもごもっとも」

「確かに・・・」

「大変かとは思うが、うまく舵取りを頼む。

 必要な物があれば・・・いや、何かあれば相談して欲しい。

 出来うる限り力になろう」

「ありがたい。

 その言葉だけで、城壁に守られている思いだ」

「では、失礼する」

「では」


さて・・・ウィルにどこまで話したものか・・・

それは家に着くまで、ゆっくり考えるとしよう。


次回「技術革命の日」


Twitter @nekomihonpo


変更箇所

息子が申しますには→息子の言葉によれば

息子が言うには→息子の言葉

ハルトティータ殿名前→ハルトティータ殿の名前(指摘感謝)

従事長の元→従事長の下(指摘感謝)

従事長→侍従長(指摘感謝)

陛下の元→陛下の下(指摘感謝)

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◆用語 ●幼少期人物一覧
 ●学院初等期人物一覧
 ●学院中等期人物一覧
 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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