発声記念日
2歳になった。
日々、訓練を重ねたお陰で、喋れるようになった。
初めて「とうさま、かあさま」と喋った時、すっごい喜びようで、もみくちゃにされた。
まだまだ舌っ足らずではあるが、意思の疎通が出来るというのはスバラシイ。
まだまだ単語が解らないが、地道に憶えていくしかないだろう。
ありがたいことに文法は日本語に近い。
文字は、まだ解らないが・・・中国語みたいだと大変だなぁ。
くらいに楽観視している。
自分の名前は、ウィル・ランカスター。
ランカスター家の長男だ。
母親は、リリーレルマ・ランカスター。
可愛らしい系のおっとり美人。
授乳の時、気まずかったのだが、コチラが一方的に気まずいだけだ。
父親は、ウィンザー・ランカスター。
見た目は厳ついが、母親や私に対してデレデレに蕩けるあたりのギャップが酷い。
公務員という表現が正しいのかは解らないが・・・公務員のようだ。
お陰で、良い暮らしをさせて貰っている。
・・・他と比較したことがないので解らないが、少なくとも、お手伝いさんの居る家庭は一般以上貴族未満だろう。たぶん。
ファンタジー系の転生モノで確定のようだ。
ケガをした時に、母親が治癒魔法を使ってくれた。
いいね。治癒魔法。スバラシイ。
まだ、世界情勢とかは解らないが、治癒魔法を憶えて損はないはずだ。
ファンタジー系ってことは、RPGみたいな世界観ってことだ。
治癒魔法至上主義とでも言おうか・・・RPGでとにかく優先すべきは治癒魔法だ。という偏った考え方をしている。
いいぞ。治癒魔法。
回復にお金が掛からない。
つまり、装備にお金が回せるんだ。
魔法というと、攻撃魔法に目が行きがちだが、私は断然治癒魔法だ。
死ななければいいのだ。
・・・おっと、ついつい暴走してしまった。
そんな訳で、治癒魔法には一方ならぬ思い入れがあるので、がんばって使えるようになりたいと思う。
治癒魔法の才能があるといいなぁ。
次回「発声記念日のリリーレルマ(母親)」
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変更箇所
次回タイトルの追加