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ヒール最高  作者: 猫美
幼少編
19/90

嘘を吐いた日

首飾り用の鎖が欲しい。

なんて、いきなり言うのも不自然すぎる。

と、言うのも、ハルトティータのイヤリングだ。

このイヤリング・・・結局、ネックレスにするのが無難かなぁ。と思う次第。

さてさて、どうしてこんな物を手に入れたのか説明しないとダメ・・・だよなぁ。

仕方がない・・・ヒールが使えることをカミングアウトするか。


「父様、母様・・・お願いがあります。

 首飾り用の鎖が欲しいのですが・・・」

「うん?誰かプレゼントする相手でも出来たのかな?」

「いいえ、父様。自分で使いたいのですが」

「あらあら。ウィルがネックレスをするの?」

「はい」

「ネックレス・・・では無く、それ用の鎖なんだな?」

「はい。・・・実はイヤリングを預かりまして・・・」


ポケットからハルトティータのイヤリングを取り出してみせる。


「あら。綺麗・・・ペリドットかしら?」

「この宝石をあしらったイヤリングを預かった?」

「えっと・・・お礼にと言いますか・・・」

「あら。どんな良いことをしたのかしら?」

「えっと・・・ヒールが使えるようになったので」

「まぁ!ウィルったら、ヒールが使えるの!?」

「ぇぇ・・・一応・・・」

「ほう」

「ウィル!スゴイわ~。

 さすが、ウチの息子ね。

 これで、将来は安泰だわ。

 末は治癒院の院長さんかしら?」

「まぁまぁ、落ち着きなさい。

 それで、ウィル・・・ヒールが使えることと関係があるのかね?」

「ええ・・・ハルトティータさんという方の・・・」

「ハルトティータ!?」

「え?父様、ご存知なのですか?」

「ぇ、ぁ・・・ぃゃ・・・もしかしてエルフの方かな?」

「ええ。ご存知の方だったのですね」

「ああ・・・名前だけはな」

「へぇ。有名な方だったんですね」

「それで、ハルトティータさんがどうなさったの?」

「ああ・・・えっと・・・」


さて・・・困った。

枯れ森を癒してたら感動された。

・・・とは言えないよなぁ。


「鳥・・・そう、綺麗な小鳥がケガをしてしまい、困っていらしたので・・・

 ヒールで癒してあげたんですよ。

 そしたら、いたく感謝されまして・・・」

「あらあら。じゃぁ、ちゃんと小鳥さんは治ったのね」

「ええ。それはもちろん」

「まぁまぁ。ウィルのヒールは大した物ね」


うっわ~。なんか背中に変な汗が出てきた。

やっぱ嘘が入るときついな。

特に不自然な点は・・・ありまくりだよ!

鳥のケガでお礼にイヤリング・・・ねーよ!


「そうか・・・ハルトティータ殿からのお礼なのか・・・」

「・・・父様?」

「ああ・・・いや・・・

 そのイヤリングはハルトティータ殿が身につけていたのかな?」

「ええ・・・そうですが?」

「そうか・・・」


父様の様子がなんともヘンだな。

やっぱ、ハイエルフって凄いのか?

名前を出すべきじゃ無かったか?

・・・と後悔したが、手遅れなので子供らしく気にしないことにした。


「じゃぁ、そうね・・・銀の鎖なんてどうかしら?」

「え?そんな立派な物でなくても構わないのですが」

「あらあら。ウィルが預かったのでしょ?」

「ええ。そうですね」

「じゃぁ、無くさないように、しっかりした物にしておかないと」

「ぅ・・・そうですね」

「今度、台座を作りに行きましょう」

「え?いやいや。そこまでしなくても」

「見た目もちゃんとしておかないと失礼だわ」

「そういうモノですかね・・・」


まぁ・・・何はともあれ、無事に銀の鎖をゲット。

・・・高そうだな。

まぁ、いいか。

ウチが貧乏ならいざ知らず、そこそこお金持ちになってるしな。



どうも、このイヤリング・・・ティータの祝福というだけあって、マジックアイテムっぽい。

知力にプラスか、魔法攻撃力、MP、MP回復速度あたりにプラス補正があるようだ。

と、言うのも・・・MP切れしにくくなった。

・・・気がする。

MPが枯渇するまでの作業が増えた。

うん。ありがたいんだけど、ありがたくない。

ってことで、枯れ森に出かける時は、持ち歩かないことにしよう。

全然スパルタになりゃしない。

やっぱ、こういうマジックアイテムってあるんだなぁ。

ますます、高価そうな気がしてきた。

預かってていいんだろうか?


次回「嘘を吐いた日のウィンザー(父親)」


Twitter @nekomihonpo


変更箇所

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◆用語 ●幼少期人物一覧
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 ●学院中等期人物一覧
 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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