来客の日のミレイ(お客さん)
・・・ボクに泥を投げてた人・・・の仲間?の人が・・・ボクに用がある・・・って・・・怖い・・・から、付いていったら・・・昨日の子がいたの。
・・・どういうこと?・・・って思っていた・・・ら・・・連れられて・・・その子の家に着いたの。
帰ろうと・・・したら、ダメだって・・・忌み人なんか、家に・・・入れちゃ、ダメ・・・だよ?
おっきな・・・お家に入ったら・・・綺麗な人・・・
「あらあら。いらっしゃい」
!?・・・ボクに、話しかけてきた・・・の?
「まあまあ、可愛らしい。・・・美人さんね。
じゃぁ、まずはお風呂に入りましょう」
か、かわいい!?・・・美人!?・・・お風呂!?
お風呂・・・ボク?
忌み人なの・・・に!?
え?え?・・・どうして?
・・・ウィルの・・・お母さん・・・に、押されるように・・・連れて行かれたの。
・・・おかしい。
・・・おかしいよね。
・・・ボク・・・忌み人だよ?
おっきな・・・お風呂で・・・すごく・・・暖かくて・・・ウィルの・・・お母さんと二人・・・暖かかったの。
「ねぇ。ミレイちゃん」
「・・・はい」
「ウチの子にならない?」
「ぇ!?・・・だめ」
・・・突然のことで・・・だめ・・・って言っちゃったの。
だって・・・忌み人・・・だもの。
「あら。だめなの?どうして?」
「だって・・・嫌われちゃう」
「嫌われちゃう?誰から?」
「みんなが・・・みんなから」
「大丈夫よ。誰もミレイちゃんを嫌ったりしないわ」
「ううん・・・外のみんなから」
「大丈夫よ。ウチの人が守ってくれるから」
「ううん・・・嫌われるの・・・だめ」
「そう。優しいのね」
ぎゅ・・・って、抱きしめられたの。
・・・すごく暖かくて・・・優しくて・・・
「・・・ちょっと・・・苦しい」
「あらあら。ごめんなさい」
「ウチの子になるのがダメなら、ウチで働くのはどう?
これならミレイちゃんもそんなに困らないんじゃない?」
「ぇ?・・・えっと・・・」
・・・ど、どうして?
・・・なんで?
・・・解らない。
「そうね。ウチの子になってしまうと、ウィルとの結婚で困りそうだし・・・身元の引き受けだけなら、家族ではないのだから、結婚で世間体を気にする必要も無いわね」
け、結婚・・・!?
結婚・・・って・・・ボク・・・無理!
「ぇ?・・・ぇ?・・・あの・・・だめ」
「あら?ウチのウィルは嫌い?」
・・・え?え?
・・・えっと・・・よく解らない。
・・・けど・・・ウィルは・・・やさしい。
「・・・そんな・・・こと、ない・・・と思う」
「あらあら。じゃぁ、問題は解決ね」
「ぇ?・・・解決・・・してない」
「ウチで住み込みのメイドさんなんてどう?
きちんとお給金も出すし、
家族には追々なればいいわ。
これならミレイちゃんも問題無いわよね」
・・・忌み人だから・・・よく・・・ない。
「ぁぅ・・・困る・・・」
「あらあら。嫌なことは早めに解決しておかないとね。
何か嫌なことあるかしら?」
「えっと・・・忌み人だから・・・」
「ん~・・・ミレイちゃんは忌み人じゃないわ。
これで問題は解決ね」
「ぇ?」
「だって、ミレイちゃんはこんなにも良い子なんですもの。
忌み人なんかじゃないわ。
仕事のことは、ノイナからお聞きなさいな。
急がずに、ゆっくり憶えていけばいいから」
ゃ・・・話、通じてない・・・
「ぁぅ・・・」
「これから、よろしくね。
ミレイちゃん」
「ぇぅ・・・」
お風呂・・・上がったら、真っ白なもこもこで・・・身体を拭かれたの。
すっごい・・・柔らかくて・・・もこもこ。
ウィルの・・・お母さんが、拭いてくれた・・・の。
そしたら、別の・・・女の人が・・・服を着せて・・・くれたの。
・・・すべすべ・・・で、綺麗で・・・ボクの服じゃなくて・・・
でも、ボクにぴったり。
「・・・あの・・・これ・・・」
「はい。リリー奥様から、メイド服を用意するように。とのことでしたので、急ごしらえで申し訳ないのですが、ミレイさんに合うよう、仕立てました。
サイズに問題はありませんか?」
「・・・そ、そうじゃなく・・・て・・・ボクの服・・・は?」
「ああ・・・元の服ですか。
今、洗濯をしている最中ですので、これで我慢ください」
「・・・でも・・・ボク・・・忌み人」
「いいえ。今日からはランカスター家の使用人の一人だと伺っております」
「・・・ぁぅ」
・・・この人も・・・忌み人って・・・解ってくれない。
「ほら、ノイナ。ミレイちゃんが脅えちゃってるわ。
いきなり口調が厳しいわよ。
もっと優しく接しなさいな」
「そうですね。ちょっときつかったかも知れません。
しかしながら、曲がりなりにも、ランカスター家の使用人となるのですから、お客様対応という訳にもまいりません」
「そうね。まぁ、そんな厳しいことは追々でいいから、新しい家族が増えたと思って接してあげなさいな」
「そうですね」
「・・・忌み人だから・・・だめなの」
「いいえ。違いますよ。
新しい家族です」
「そうね~。所で、お着替えは終わったかしら?」
「はい。奥様」
「どれどれ~。まぁ、ほんと可愛らしい」
・・・ぎゅって・・・抱きつかれたの。
「・・・ぁぅ」
次回「来客の日のその後」
Twitter @nekomihonpo
ストックほとんど無いのに、反応があるとついつい嬉しくなって放出していまう病。
変更箇所
次回タイトルの追加
ノイエ→ノイナ(指摘感謝)