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ヒール最高  作者: 猫美
幼少編
10/90

人さらいの日のアルフ(いじめっ子)

ここ数話、いじめ、虐待(を臭わせる)表現が出てきます。苦手な方は飛ばして下さい。

学院が休みなので暇ですね。

ジャンは家の手伝いで忙しいでしょうから、本当に暇です。

ぼ~っと町ゆく人を眺めていると、さっきからちょろちょろと行ったり来たり・・・昨日のちょっと生意気な子ですね。

喧嘩の最中に、自分にヒールをしているように見えたのですが・・・あんな小さい子が、ヒールを使えるモノなんでしょうか?

そもそも、無詠唱のヒールなんて可能なんでしょうか?

しかも、結構な回数を自分にヒールしているように見えましたが・・・そんなにヒールを使えるモノでしょうか?

特殊体質で超回復を持っている可能性も否定できませんね。

疑問だらけです。

ロロに聞いてみたいところですが、休み明けまで無理ですね。

・・・本人に聞いてみますか。


「こんにちは」

「ん?」

「無事に逃げられましたか?」


警戒されていますかね。

なんとも仕方ないですが。


「そうですね。

 喧嘩も長引かずに済みましたし」


・・・おや?応対をしてくれるようです。


「キミは面白い子ですねぇ」

「・・・ガキ大将のお仲間じゃないんですか?」

「ガキ大将?・・・ああ、ジャンの事ですか。

 いや。お仲間ですよ?

 まぁ、手下って訳でもありませんがね」


ガキ大将ですか。

そうですね、ガキ大将ですね。


「で、そんなお仲間さんが、何用ですか?

 昨日の続き・・・という訳でも無さそうですが?」

「ちょっと確認をね・・・キミはヒールが使えるんですか?」

「へぇ。バレてましたか。

 そうですね。ヒールです。

 どうします?卑怯者とでもなじりますか?」

「いやいや。

 喧嘩ってのは自分の力でやるモンだと思いますよ。

 そのヒールだってキミの力ですからね。

 ただ、子供にしては凄いなと思いましてね」


本当にヒールでしたか。

結構な回数、使っていたように見えたのですが・・・あまり疲れていたようには見えませんですし・・・


「・・・変な人ですね」

「いやいや。

 ヒールが出来るような凄い子とは友達になっておいた方がいいかな?

 と思いましてね」

「いじめの仲間になれ・・・と?」


う・・・厳しいところを突いてきますね。


「あぁ・・・それは・・・う~ん。

 いじめたくていじめてる訳じゃないんですがね」

「理由はどうでもいいですよ。

 僕はあの子の味方です」

「・・・嫌われてますかね?」

「好かれる理由があるとでも?」


ごもっともですね。


「・・・無いですかね。

 仲間になると、いじめられませんよ?なんてのも嫌われそうですし」

「ふぅ、そうだね。

 好きこのんでいじめられたいとは思わないけど、いじめの仲間にはなりたくないしね」


実に、耳に痛い話ですね。


「取り敢えず、いじめの話はやめましょうよ?」

「ホント・・・変な人ですね。

 ・・・もう行ってもいいですか?」

「ええ。呼び止めてすいません。

 お急ぎですか?」

「ふむ?

 ・・・つかぬ事を聞きますが、昨日の子がどこにいるか知りませんか?」

「はぁ?キミも不思議な子ですね。

 忌み人を探しますか」

「ええ。ちょっと探しています」

「ミレイは、この先のハズレの孤児院に居ますよ」

「ミレイっていうのか・・・」

「名前、聞かなかったんですか?」

「・・・逃げられたんですよ」

「ぷ・・・ふはははっはは」

「・・・わ、笑うなよ」

「いやいや。すみません。ぷは。

 いやいや。名前も知らないのに探してるんですか」

「ああ・・・ちょっとね」


是非とも見てみたいですね。

興味が湧いてきました。


「ついて行っても?」

「はぁ?・・・う~ん?」

「邪魔はしませんよ?」

「誤解されて逃げられても困るからやめとく」


ああ、そうですね。

いじめの仲間・・・と思われても、彼には迷惑でしょうし。


「・・・そうですか。そうですね。

 残念ですが、邪魔はしないと言いましたし」

「こっそり付いてくるのも無しだぞ」

「ええ、解ってますよ。

 そうそう。お名前を聞いても?」

「普通、自分から名乗るモンですよ?

 まぁ、お約束だからいいけどさ。

 ウィル。ウィル・ランカスター。5歳だ」

「5歳!?すごいですね。

 アルフ・ニナカ。7歳です」

「アルフ・・・でいいかな?変な奴だな」

「ウィルほどでは、ありませんよ」

「まぁ、いいや。助かったよ」

「礼にはおよびませんよ」


ほんと、面白い人です。

ウィル・ランカスターですか。

ロロに紹介したいところですが・・・中々難しいでしょうね。

いじめっ子の仲間・・・のままですかね?

彼がウチの学院に来てくれると楽しそうです。


次回「来客の日」


Twitter @nekomihonpo


ストックが無くなるので、あまり連続で上げたくないのですが、反応があると、ついつい公開したくなる病。


変更箇所

タイトルの「の」抜け

次回タイトルの追加

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◆用語 ●幼少期人物一覧
 ●学院初等期人物一覧
 ●学院中等期人物一覧
 ●学院高等期人物一覧

以下、感想に対する補足になりますが、ネタバレを含む可能性があります。
見る場合、最新話まで見た上で見ることを推奨します。
◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7(2013/02/03)
あとがきは ネタバレ を含む可能性があります。
◆あとがき(2013/02/01)
1話にまとめあげる程ではなかったおまけ。
◆研究室での日常のヒトコマ(2012/11/23)



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