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色彩館  作者: こをり
37/37

サンジュウゴ色


じめじめ、じめじめ。

決して雨が降ってるわけじゃない、むしろ星が綺麗に見える夜空だ。

そう気温が湿っているのじゃなくて気分が湿っているのだ。


菖蒲さんが。


『なにかあったんですか?』

「・・・・・」

「これは重症だな」


今日は私と緋色さんと菖蒲さんでお留守番。

っと言っても菖蒲さんはつい1時間前に大学から帰ったと思ったら居間の隅で体育館すわり。

今日は白緑さんと支子はデート(白緑さんにそう言えと言われた)

白藍さんはお仕事です


『あの~菖蒲さん』

「・・・・・」

「どうせ振られたんだろ」

『それは・・・緋色さんデリカシー無さすぎです』

「うがぁあああああ!!!」

『「Σっ!!」』


叫んだ!と思ったら靴も履かずにどこかに飛び出してしまった

2人で呆然となっている(傍から見るとおかしい人と思われるかも)

え、えっ?

となっていると緋色さんがおもむろに携帯を出した


「・・・・さて、夕ご飯の準備は?」

『あ、もうそろそろします』

「そうか」

『菖蒲さん追いかけなくていいんですか?こんな真暗の中・・・』

「いつもの事だし平気だろ」

『いつもの事って』


そっけないなぁ、とため息をついてしまった。

私は追いかけたいけど・・・夕飯が

そろそろ皆帰ってくるだろうし


「おい」

『はい?』

「夕飯、二人分でいいぞ」

『え?皆さん食べてくるんですか?』

「さっき連絡が入ったからな、菖蒲は・・・帰ってこないだろ」

『帰ってこないんですか?』

「いつもの事だ」


いつもの事って・・・なんかすごいなぁ

と言うか菖蒲さんを振るってそっちの方が凄いかも

顔だって整ってるし(目元の化粧はちょっと濃いけど)スタイルも抜群

性格だって面白いのに


『緋色さんなら振らないでしょ?』

「・・・・まぁ人それぞれだろ」

『私なら即OKで大事にするけどなぁ』

「お前、女性も?」

『多分違います』

「(多分って)」


それから縁側と玄関に張り紙。内容はご想像の通り

『夕飯は冷麺です』

さて、準備しなきゃ緋色さんが不機嫌になる

台所に立ち麺を湯がきながらほん横の部屋、居間に声をかける


『緋色さーん今日冷麺ですけど他になにか要りますか?』

「…なんでもいいか?」

『材料があればですけど』

「玉子焼きが食いたい」

『はー…い?』


返事をしながら振り向くとちょこんと(身長は高いが)いつのまにか横に緋色さんが来ていた。

ビックリしたのはそれだけじゃない、深い赤の着物に似合う黒いエプロンまで装着済み


『えーと?まずは卵を割ってください?』

「殻は?」

『入れちゃダメです』


あぁ、作ってみたかったのかな?

なんとなくウキウキしてるしたぶん当たりだろう。

キュウリを切りながら横を盗み見するとまだ1つ目の卵に悪銭苦闘中。

優しく縁に殻を当てて割ろうとしてるけど…優しすぎてちょっとのヒビしか入ってない。


『・・・・やりましょうか?』

「もう、ちょっと・・・できた!」


パキッ、となって割れた卵はいつもより輝いて見えた。

コツをつかんだのか二つ目は数秒で終わり今は普通に混ぜているこう言うのっていいなぁ

母さんと台所で一緒に料理なんてしたことないや

家族はどうしてるんだろ。

ううん、祐真はちゃんと自分の意見を言えてるかな?お姉ちゃん子だからなぁ・・・


「アキラ?」

『あ、すいません!えーと次はフライパンを暖めて…』

「大丈夫か?なんかボーとしてたけど」

『玉子焼きのことを考えてました』

「美味しくできたら分けてやるから」


その自信はどこから?と聞きたいが一生懸命火力と戦ってるこの人を傷つけられないや

ラブコメ見たく手と手が触れあって…なんて展開は一度もなく(当たり前)夕御飯は完成。

軽く焦げた玉子焼きといつもより量の少ない冷麺。

あ、菖浦さんの分取り分けなきゃ。

緋色さんはもう居間で待機中

さて、お箸を持っていかなきゃ


「あ、この玉子焼き焦げてるじゃない」

『・・・・おかえりなさい』

「たっだいまぁ」

「いつもは一週間ほど帰ってこないのに珍しいな」

「ん~冷麺が食べたいから」

『すぐ持ってきますね』

「おねがぁい」


結局3人で夕ご飯

早く帰ってきてくれてよかったなぁ


菖蒲ちゃん編です!

はぁ更新遅すぎですね

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