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色彩館  作者: こをり
3/37

ニ色



今だ気持ち悪いお腹をさすりながら、どうにかして気分を落ち着かせるためにケータイで音楽を聴きながら歩いこうと鞄から探す。

いくら底を探っても冷たい無機物が見当たらない。

自分の失敗すらイラつくが、取りに行くほど私の神経は図太くない。

諦めよう。別に普段から使ってたわけじゃないし。

ふぅ、と息を吸い塾へと急ごうと足を進めると、前の方で将矢が手を振っていた。


「アーキーラー!」

『そんなに大声じゃなくても聞こえるよ』

「いや、つい癖で。これがまた治んねーんだよな」


将矢は学校と同じでいろいろ話してくれた。妹達がケンカをし始めた、おばさんに怒られた、参考書が無かったなど、楽しい話だったからさっきまで落ち込んでいた気持ちがだいぶ楽になった気がする。

心の中で感謝してると、将矢が別の話題をふってきた。


「そーいや、今日は行き渚と一緒じゃないんだな」

『うん、行き先一緒だしたぶん会うと思うけど』

「ふーん・・・・」

『なに?行き成り黙っちゃって』


考え込むような真面目な表情。こういう時は話しかけない方がいいよね。

無言で歩き続けて数分。

特別気まずいと思うこともなく、進んでいると将矢が私を呼び止めた。

何かと、視線を合わすと酷く真剣な顔で問われた。


「アキラってさ、好きなやついる?」


たぶん、今の私はとんでもなく間抜けな顔なんだろうな。

え?好きな人?突然どうしたの?長い間一緒にいたけどそんな話めったにしなかったじゃん。

言いたいことはたくさんあったけど、とりあえず返事はNO。

今はそれどころじゃなく、自分のことで一杯一杯だ。

そう言うとホッとした表情から、また真剣な顔に戻り将矢は歩みを止めた。腕をつかまれ、必然的に私もストップする。


『将矢?塾始まっちゃ』

「ずっと傍に居たから気づいてる?俺お前のこと、好きなんだ」


将矢の頬が赤い。言われたあと私は固まり、足も口も頭も動かない。

告白は過去1回だけあったけど、接点などなくその時初めて会った人だったからなんなく断れた。

もちろん、パニックになったし適当な断り方をしてしまった。

でも、今は違う。

相手は将矢なんだから。


『そんな、知らなかった・・・』

「ごめん」


謝られても・・・。

もちろん将矢は好き。

でも、私の好きは友達としての、親友としての好きだから。


『将矢・・・あのね』

「アキラちゃーん!」


突然後ろの方で渚の声が響いた。

少女漫画のようなタイミングに、思わず掴まれていた腕を振り払ってしまった。

あ、と思い謝ろうにも渚はすぐ横。

でもこの状態から抜け出せるなら今の渚には感謝したい(私って最低。

将矢は野球で負けたときの様なイラついてる顔をしていた。

渚は走りながら私たちのところまで来ていつもと変わらない笑顔。


「こんばんはアキラちゃん」

『こんばんは』

「しょ、将矢くんもこんばんは」


将矢は渚に軽く挨拶してから、また私のほうに向き直った。

それが気まずく視線を合わせないようにしていると、渚は小首をかしげながら「塾、遅れちゃうよ?」と将矢の裾を引っ張った。


「・・・わりぃ先行くわ」

『・・・・・そ、っか』


将矢はすぐ走っていって、あっと言うまに見えなくなった。

渚は離れていった将矢の後姿をじっと見ている。

見えなくなると思い出したかのように私のほうを向いた。


「私も先行くね」

『・・・・・うん』


渚が走り出した後、話しを聞いてもらいたかったと先に行かせたことを後悔した。

もし今までの関係が崩れたらどうしよう、崩れないようにするには付き合えばいいの?恋愛感情じゃないのに?渚が一人になっちゃうのに?

家のことも、今のことも、これ以上考えたら頭パンクしちゃうよ。


なにか叫んでしまいたかったが、その言葉すら分からない。

胃が痛い。胸が苦しい。頭が疼く。


目頭が、熱い。


んー小説ってやっぱり難しい。

私の頭の中じゃもう完結してるんですけど←

将矢は主人公が初恋です。でも、お互い近すぎる距離にいたから主人公の方は親友としか思えなくなっていた・・・ベッタベタな少女漫画すいませんでしたー(泣)


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