ニジュウロク色
今日はゾンビさんが呻き声を上げながら挨拶してくれました
なのでウコンの力をプレゼント
「飲みすぎたー!」
「ちょ白緑うるさいよ」
「ってかなんで皆元気なのさ!」
私と緋色さんは飲んでないからだけど白藍さんと支子さんは普通だ
朝も普通に起きて普通に朝食を食べてくれた(今はお昼)
『お昼どうしますか?』
「私パス!ちょっと寝てきまーす」
「俺食べます!なんか治ってきたし」
「・・・飲みすぎだな」
「支子ぃ~今は説教しないで~」
「・・・早く寝ろ」
「俺も心配してよー!ね?アキラちゃん」
『あ、大丈夫ですか?後でグレープジュース作りますね?』
「「やったー!!」」
2人とも叫んだあとに頭を抱えてつらそう
菖蒲さんは自室の戻り白緑さんは居間に座って突っ伏していた
お昼ご飯を温め食器を用意すると支子さんが白緑さんの背中をさすっている
よっぽど具合が悪いのかなぁ
『私畑に行ってグレープフルーツとって来ますね』
「・・・俺もあとで行っていいか?」
『もちろんです!白緑さんは残してもいいのでご飯食べてくださいね』
「がんばるー」
「グレープフルーツもう生ってるんですか?」
『まだ数は少ないですけど生ってましたよ!』
「俺らにもいくつか採ってきてくれ」
緋色さんにはーい!と言ってから麦藁帽子と籠を背負っていざ!出陣!
畑は私のお気に入りに場所だ。もちろんうこっけいも
皮に傷をつけないように慎重に、よしまずは一個!
「・・・重くないか?」
『あ支子さん!大丈夫ですよ?ココに来て体力がアップしましたから!』
「・・・あいつら家事しないからな」
『初めはビックリしましたよ!台所の埃に』
「・・・皆使わないから」
支子さんが来てまだ2日だけどすっごく話しやすい人だなぁ
ワンテンポ置いての返事は意外と心地いい
色々話していると支子さんが陰になっている部分に座った(疲れたのかな?)
なんとなくもう少しお喋りしたかったから隣に失礼した
「・・・本はあとで渡す」
『・・・あ!お土産ですよね?ありがとうございます!』
「・・・本当はお前がここに来るのに反対だったんだ」
突然の告白。返事が出来なかった
考えてみれば突然来た女にいい気分はしないよね。でもいざ言われると結構ショック、かも
黙っていると支子さんが少し慌てたみたい
「・・今は、違う」
『・・・すいません』
「・・・白緑からお前の事を聞いていた」
相槌を打ちながら手でグレープフルーツに触れる
そういえば支子さんもまだ『お前』だなぁ
「・・・料理本と言われた時思わず笑ってしまった」
『白緑さんにも笑われました』
「・・・聞こえた」
もうすぐ梅雨の時期だなぁじめじめしちゃうや
会話の無いまま時間がたつと眠くなる、なにかお話しなきゃ
「・・・もとより女性が苦手なんだ」
『恐怖症みたいなものですか?』
「・・・あぁ俺が苦手なのはケバイ?女だ」
『あ~私もちょっとだけ苦手です』
「・・・うるさくてヒステリックで体を売る女が、大嫌いだ」
搾り出すようないつもより小さな声
確かにそういった女性は好まれはしない。支子さんは本当に嫌いなんだろうな
どうしてですか?なんて迂闊に聞けない気がした。
支子さんは立ち上がったので私も一緒に立つ
「・・・持つ」
『じゃあ半分お願いします』
お互い両手にグレープフルーツを持ち歩きだす。
ジュースの作り方で盛り上がりながら家につくと菖蒲さんが起きていた
「あ~大分楽になったわ」
『今すぐ作りますね』
「・・・白緑は」
「あいつなら居間で寝てるよ」
『菖蒲さんはどこか行くんですか?』
「ちょっと図書室で雑誌読んでくる、ジュースはお願いね~」
菖蒲さんを見送って居間に行くと大の字で寝ている白緑さん
支子さんは毛布を取ってくると言って、行ってしまった
よし、とびきりおいしいジュースでも作りますか!