ニジュウサン色
「アーキーラーちゃーん!」
『も、もう少しまって下さい』
「お前がめんどくさいこと頼むからだろ」
「だって食べたかったんだもん!」
「良い歳した男がもんとか言うな!」
「白藍だって言ってたし!」
『いい歳って白緑さんいくつですか?』
台所と居間で会話をしていると白藍さんが起きて来た
今日は皆仕事が無いからだらだろしてる
「白緑は25で緋色が21ですよ」
『え、白緑さんのほうが年上?』
「えって何えって?」
「アキラは俺のほうが落ち着いてカッコイイ年上に見えたらしい」
「マジかー!ってカッコイイは譲れない」
なんか一気に盛り上がりだしたな。出来ましたよーと言って準備完了
「アキラは俺たちがいくつに見えた?」
『えーと白藍さんが25で緋色さんが23くらい?白緑さんは・・・20』
「俺ちょー若いじゃん!」
「俺老けて見えるのか?」
「正直な子は好きですよ」
『緋色さん違うんです!落ち着いてるからどうしても年上に見えて!』
朝からこんな調子で騒いでいた
一段落してから白藍さんは自室に行き緋色さんはトイレ
「アキラちゃんは緋色の事聞いたんでしょ?」
『・・・はい』
「率直に聞くけど、どう思った?」
『どう、思った?』
「うーん俺は初め聞いた時嘘でしょーってなって信じなかったのよ」
『なっ!嘘じゃありません!』
カッとなって大きな声で言うと白緑さんが目を丸めている
でも嘘じゃない、疑いもしていない
『私疑うなんて考えもしませんでした!緋色さんは真剣で』
「うん!わ、分かってるのよ?」
『怖いのに表面に出さずがんばってきたんです!』
「落ち着いて!今のは俺の言い方が悪かった!」
すいませんと小声で謝ると白緑さんはいいよと軽く笑ってくれた
ちょっと気まずい空気が浮きが流れたけど何事も無かったように話し出してくれた
「んーまぁ俺が最終的に言いたかったのはね?」
『?』
「あいつ丸くなったなぁって思ったんだわ」
『丸くですか?一週間ちょっとなのでまだ私には』
「分からなくて当然だって!3年一緒にいるのにいまだアイツの事わかんないもん」
ケラケラ笑いながら話す白緑さんは本当に20くらいに見える
服装は濃い緑の着物だけどきっと洋服の方が似合うだろうなぁ
もちろん和服も似合ってるけど!
「あ!後で俺の第二部屋においでよ!良い物あげるからさ」
『第二部屋?』
「昨日アキラちゃんがお茶持ってきてくれた部屋」
『じゃぁ洗濯物を入れてからでもいいですか?』
「全然オッケーってか俺の服ばっかりでしょ?」
少しして緋色さんが戻り私は洗濯物をとりに行った
すれ違った時の緋色さんの表情が不機嫌に見えたのは気のせいかな?
「どこから聞ぃてたの?」
「あいつが嘘じゃないって叫んだ所から」
「だいぶ初めの方じゃん!出てきたらよかったのに」
「行き成り叫びだすからビビった」
「それコッチの台詞・・・うれしかった?」
「別に」
緋色は素っ気無く言って早足気味に居間を後にした
素直じゃないんだから!
自分を信じてくれる人がいる。それだけでも心強いのにあんなに叫ぶほどだなんてね
緋色のことを言ったのにまるで自分の事みたいに悲しい顔するんだもん
いい子なんだなぁアキラちゃんは
一人でお茶を啜っているとアキラちゃんが来て俺の第二部屋に向かった
「さぁどうぞどうぞ」
『失礼します』
確かこれとこれと・・・あ、こっちもサイズ合うよな?
ちょっと時間かかるかもって言うと平気だと言ってくれたので奥の方も探す。
辺り一面布だらけ。端っこにミシンなどの機械、時々針とか落ちてるから誰も入れれないのだ
「悪いけどあんまり動かないでねー」
『ここは白緑さんの仕事場ですか?』
「ん~そんな感じかな・・・よし!アキラちゃんコレとコレ持って右の部屋はいって!」
右の部屋は更衣室。着替え方はわかるみたいだし居間に行っときますか!
◆◇◆◇
・・・30分してもこない
女の子の準備に時間がかかるのは分かるけどお化粧とかしないはず
悶々と考えていると足音が一つ
「アキラちゃ・・・」
「俺で悪かったな」
緋色かよー!とだれると一発叩かれた
白藍もやってきてしばらく駄弁っていると障子の向こうに影が出来た
2人に笑ってやるとは?って顔をして障子に視線を投げる
「アキラちゃんどぞー!」
『あの、変じゃないですか?』
「可愛い!やっぱ俺天才だわ」
『着付け間違ってない、ですよね?』
「アキラさんとっても似合ってますよ」
『ありがとうございます!』
アキラちゃんと白藍が女の子(?)の会話で楽しんでいる
緋色のほうを見ると新聞を広げてみている
可愛すぎて顔を真っ赤にさせてるんじゃ・・・と思い顔を見ると
「おい邪魔するな」
「なんで真っ赤じゃないの?」
「はぁ?なんで赤くなるんだ」
「・・・アキラちゃん可愛いよね?似合うよね?」
「可愛いし似合っている、それが?」
「・・・・・だからお前は駄目なんだ!!」
そこはフラグ立てようよ!と叫ぶと無視された
悔しがってるとアキラちゃんがすっごく可愛い顔でお礼を言ってくれた
あぁ~癒される~・・・緋色は相変わらず新聞紙に夢中だけど
「ま、まぁそのうち分かるでしょ」
『「なにが?(ですか?)」』
「それはいつになることやら、アキラさんお茶貰えます?」
「ちょっと飽きないでよー!」
白藍と話しながらアキラちゃんの方を見ると和やかに緋色とお喋りしている
緋色の笑顔とか久しぶりに見たなぁ
なんだか嬉しくなって2人に飛びついた
私の家も黒電話なんですが・・・あの音は正直怖いですよ;
夜中に鳴ったら家族全員起きてしまうくらい威力があるんです・・・・
さて、どうやら主人公は料理に目覚めてきたみたいですね(フフッ)
もうちょっとしたらみんなのプロフでも載せたいなー