表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の丘の銀の星  作者: ひろみ透夏
第14話 復讐のとき

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/61

14-03

 

 

「ひるむな! バイオロイドで操縦(そうじゅう)しているのだから、体当たりしてでも食い止めろ!」


 母船の司令室で、ジランダ将軍はまっ赤な顔で怒鳴り散らしていた。


「なんとしても、あの攻撃船を破壊するのだ。あれは我ら先祖の(かたき)である!」



 その命令にこたえるように、小型攻撃船は、まるで流星群のごとくプロメテスに降りそそいだ。

 しかし、炎の龍と化したプロメテスにはまったく歯が立たない。群がる無数の攻撃船は次々と(あお)い炎に包まれ、爆発して消えた。



「退却しましょう、これではきりがない……。ああ、もう(せま)ってきます……」



 ジランダ将軍の横で、ズメイ参謀(さんぼう)は、青白い顔をさらに青くしていた。



「いくら伝説に語られる兵器とはいえ、太古の遺跡ではないか。()えある銀河連合軍が……英雄の子孫であるわたしが……。ええい一時退却だ! 空間転移装置、起動!」



 しかし、ジランダ将軍の苦渋(くじゅう)の決断も時すでに遅し。

 攻撃船プロメテスは、母船の底面にある発着ドッグのゲートに体当たりし、巨大な母船をぐらりとゆらした。


 轟音(ごうおん)と悲鳴がうずまくなか、発着ドッグにいた船員たちがクモの子を散らすように姿を消す。


 銀河連合の攻撃船をふれるまでもなく焼け落としたキリ星の攻撃船――。そんなものが船内に入り込んだら、いくら銀河一頑強(がんきょう)なこの母船でもひとたまりもないだろう。


 そう思った船員たちは、さきを争うように母船側面にある脱出艇(だしゅつてい)に向かって逃げ出したのだ。



 耳をつんざくような金属の摩擦音(まさつおん)をたてて回転し続けるプロメテス。

 発着ドッグのゲートは、またたくまに赤く変色していき、停泊(ていはく)していた無数の宇宙船は、その熱で次々と爆発した。



「ああ……もうこの母船はだめです……。わたしたちも早く脱出しないと!」



 震える声でズメイ参謀(さんぼう)進言(しんげん)した直後、轟音、爆風、炎とともに、ついにプロメテスはゲートを破壊して母船内部に飛び込んだ。


 船内を破壊しながら、上へ上へと突き進む。


 司令室は各所から通信で伝わる悲鳴で埋めつくされ、モニタには母船側面から次々と飛び出していく脱出艇が映し出されていた。




 ジランダ将軍の顔からは、すっかり血の気が引いていた。

 目を見開き、青ざめたまま立ちつくす将軍を見て、ズメイ参謀はゆっくりと後ずさりながら司令室をあとにした。


 その様子を見ていたほかの船員たちも、我れさきにと司令室から立ち去っていく。


 いまや母船は反撃も退却もできない。誰の目にも銀河連合軍の敗北があきらかに見えた。



 しかしーー。


 強烈な炎の熱と回転で母船の中腹(ちゅうふく)まで突き進んでいたプロメテスもまた、母船内部との摩擦(まさつ)で船体を激しく損傷(そんしょう)していたのだった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ