@7 第7話: 絆の力 ①
第7話: 絆の力
妃の体調が回復した後、私は仲間たちとの絆がさらに深まったことを実感していた。
彼女たちと過ごす時間は、私にとってかけがえのないものとなり、後宮での生活が少しずつ心地よいものになっていった。
しかし、私の前には新たな試練が待ち受けていた。
ある日の午後、私は侍女たちと共に、後宮の広間で行われる新たな行事の準備を任されることになった。
広間には、華やかな装飾が施され、色とりどりの花々が飾られていた。
その美しさに心を奪われながらも、私は自分の役割を果たすために集中した。
「今日は特別な日だから、気を引き締めていこう!」と小梅が元気よく言った。
その言葉に励まされ、仲間たちと共に一生懸命に準備を進めた。
しかし、準備が進むにつれて、私はあることに気づいた。
「静香が最近、元気がないように見える…」と、心の中で思った。
静香はいつも冷静で落ち着いた雰囲気を持っていたが、最近はどこか影を落としているように感じられた。
心配になり、私は静香に声をかけた。
「静香、どうしたの?何か悩んでいることがあるの?」
静香は一瞬驚いたように私を見つめたが、すぐに微笑んで「大丈夫、心配しないで」と答えた。
しかし、その微笑みの裏には、彼女が抱える重い過去が隠されていることを、私は感じ取っていた。
静香は、家族からの期待に応えようとするあまり、自分を犠牲にしてきたことがあった。
特に、彼女の母親は厳格で、常に完璧を求めていた。
そのため、静香は自分の感情を押し殺し、周囲の期待に応えようと必死になっていた。
最近の彼女の元気のなさは、そのプレッシャーから来ているのだと、私は思った。
「何かあったら、いつでも話してね」と、私は優しく言った。
静香は少しだけ頷いたが、その表情は依然として曇っていた。
私は、静香の心の中に何か重いものがあるのではないかと感じ、心を痛めた。
行事の日が近づくにつれて、私は静香の様子を気にかけながらも、準備に集中することにした。
しかし、静香の不安が私の心に影を落とし、集中力が欠けてしまうこともあった。
「私も静香を支えられるのか?」という不安が、心をよぎった。
私は、静香のために何かできることはないかと考えながらも、自分の力不足を感じていた。
そして、行事当日。
広間は華やかに飾られ、たくさんの人々が集まっていた。
私は緊張しながらも、自分の役割を果たすために一生懸命働いた。
しかし、静香の様子が気になり、何度も彼女の方を振り返ってしまった。
その時、静香が突然、倒れそうになった。
驚いて駆け寄り、「静香、大丈夫?」と声をかけた。
周囲の人々も驚き、騒然とした雰囲気が広がった。
静香は「ごめん、少し疲れただけ」と言ったが、その表情は明らかに辛そうだった。
「無理をしないで、私たちがいるから」と、私は静香を支えながら言った。
彼女のために何かできることはないかと考え、静香の心の重荷を少しでも軽くするために、全力を尽くす決意を固めた。
その後、私は静香を休ませるために、彼女を広間の隅に連れて行った。
「ここで少し休んで、無理しないでね」と優しく言った。
静香は少しだけ微笑んだが、その目には不安が宿っていた。
「私、みんなに迷惑をかけたくない…」と静香が呟く。
その言葉に心を痛めた。
「迷惑なんて思わないで。私たちは友達なんだから、一緒に支え合っていこう」と、私は力強く言った。
その言葉に静香は少しだけ安心したようだった。
「ありがとう、陸瑶。あなたがいてくれて本当に良かった」と静香は微笑んだ。
私は、静香の笑顔を見て、自分の不安が少しずつ和らいでいくのを感じた。
その後、私は静香を支えながら、行事の準備を続けた。
私たちの友情は、試練を乗り越えることでさらに深まっていくのを感じた。
静香を支えることで自分自身も成長していることを実感し、私の心には新たな決意が芽生えていた。




