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@3 第6話:   新たな試練と友情の絆 ①

 第6話: 新たな試練と友情の絆


 陸瑶は、後宮の美しい庭園で仲間たちと共に花の手入れをしていた。


 色とりどりの花々が咲き誇る中、彼女たちの笑い声が響き渡り、心が和むひとときだった。


 小梅は、特に大きなひまわりの前で嬉しそうに手を伸ばしと語った。


「この花、私の村では特別な意味があるの。ひまわりは、希望や明るさを象徴しているんだ」


 彼女の目には、故郷の風景が浮かんでいるようだった。


 静香は、花を手入れしながらも、少し遠くを見つめていた。


「私も、家族のことを思い出す。村で育てた花を見ていると、母がいつも笑顔で水をやっていた姿が浮かぶの」


 と静香が言うと、陸瑶は彼女の手を優しく握り励ました。


「私たちの花も、きっと彼女たちを思い出させるよ」


 その穏やかな時間は長くは続かなかった。


 突然、後宮の中で騒ぎが起こった。


 陸瑶は不安な気持ちで周囲を見回し、他の侍女たちが慌てて広間の方へと駆けていく姿が目に入った。


「何があったの?」


 と、陸瑶は小梅に尋ねた。


「どうやら、妃の一人が体調を崩したらしいわ」


 と小梅が答える。


 陸瑶の心は一瞬で緊張に包まれた。


「私たちも手伝わなければ!」


 と、彼女は仲間たちと共に急いで広間へ向かった。



 広間に到着すると、そこには騒然とした雰囲気が漂っていた。


 妃の一人が倒れ、周囲の人々が心配そうに集まっていた。


 陸瑶は、何かできることはないかと考えながら、周囲の様子を見守った。

 すると、静香が彼女に向かって言った。


「陸瑶さん、あなたの知識を活かして、何か手伝えることがあるかもしれない!」


 その言葉に、陸瑶は心を奮い立たせた。


 陸瑶は、妃の体調が悪化する中で、心の中に不安と緊張が渦巻いていた。


 広間での騒ぎが収まった後、彼女は仲間たちと共に妃の元に集まったが、周囲の緊迫した雰囲気に圧倒されそうになっていた。


「本当に、私に何ができるのだろうか」と、彼女は心の中で自問自答した。


 自分の知識や経験が役に立つのか、果たして妃を救うことができるのか、疑念が彼女を苛んでいた。


 静香が陸瑶の肩に手を置き、「私たちが一緒にいるから、大丈夫だよ」と優しく言った。


 その言葉に少し安心したものの、陸瑶の心にはまだ重い雲がかかっていた。

 彼女は、妃のために何かできることを見つけなければならないと強く思った。


 彼女は、村で学んだ薬草の知識を思い出し、急いで必要なものを探し始めた。


「まずは水を用意しなければ」


 と、彼女は冷静に行動を開始した。


「私が水を持ってくる!」


 と、陸瑶は周囲の侍女たちに声をかけ、急いで水を汲みに行った。


 彼女の心には、仲間たちを助けたいという強い思いがあった。


 水を持って戻ると、陸瑶は妃の元に駆け寄り、優しく水を飲ませることができた。


「大丈夫、少しずつ飲んで」


 と、彼女は心を込めて言った。


 周囲の人々も彼女の行動に注目し、少しずつ緊張が和らいでいくのを感じた。


「妃の回復には特別な薬草が必要だと聞いたことがある」と小梅が言った。


「それを探しに行こう。私たちの力を合わせれば、きっと見つけられるはず!」その言葉に、陸瑶は心を奮い立たせた。


 彼女は、村で学んだ薬草の知識を思い出し、どんな薬草が必要なのかを考え始めた。


「確か、山の近くに生えている薬草があったはず。あれは特に効果があるって、母が言ってた」と陸瑶は言った。


 仲間たちも頷き、彼女の提案に賛同した。


「それなら、急いで行こう!」と静香が言い、彼女たちはすぐに行動を開始した。




 庭を抜け、後宮の外へと向かう道中、陸瑶は心の中で葛藤していた。


「本当に私たちが妃を救えるのだろうか?もし見つけられなかったら、どうしよう……」


 不安が彼女を襲ったが、仲間たちの存在が少しずつその不安を和らげていった。彼女は、仲間たちと共にいることで、自分の力を信じる勇気を持つことができた。



 山に到着すると、彼女たちは周囲を見渡した。

 険しい道を進む中、陸瑶は「この辺りに薬草が生えているはず」と言いながら、注意深く周囲を探した。

 小梅と静香もそれぞれの視点で草むらを探し、時折声を掛け合いながら進んだ。




「見て!あれじゃない?」


 小梅が指差した先には、青々とした葉を持つ薬草が生えていた。

 陸瑶はその草を見て、確信を持った。


「これだ!これが妃に必要な薬草だ!」


 彼女の心に希望が芽生え、仲間たちもその言葉に喜びを感じた。




 しかし、薬草を摘むためには、急な崖を登らなければならなかった。

 陸瑶は一瞬ためらったが、仲間たちの期待の眼差しを感じ、決意を固めた。「私が行く。みんなはここで待っていて」と言い、慎重に崖を登り始めた。




 登るにつれて、彼女の心臓は高鳴り、手が震えた。


「大丈夫、私はできる」と自分に言い聞かせながら、陸瑶は一歩一歩進んだ。


 仲間たちの声援が背中を押してくれるように感じ、彼女はその力を借りて崖を登り切った。




 ついに薬草を手に入れた陸瑶は、仲間たちの元に戻り、喜びの声を上げた。


「見つけたよ!これが妃を助ける薬草だ!」


 その瞬間、彼女の心にあった不安は消え去り、達成感が満ち溢れた。



 仲間たちと共に急いで後宮に戻り、妃の元へ向かう道中、陸瑶は心の中で強く思った。


「私たちの力を合わせれば、どんな試練も乗り越えられる。仲間たちと共に、必ず妃を救うんだ」


 その決意が、彼女の心をさらに強くしていった。



 彼女たちは協力し合い、妃の回復を目指して一生懸命働いた。


 やがて、妃の体調は少しずつ回復し、周囲の人々も安堵の表情を浮かべた。


 陸瑶は、仲間たちと共に力を合わせて試練を乗り越えたことに、心からの達成感を感じていた。


「私たち、やったね!」


 と小梅が笑顔で言うと、陸瑶も思わず微笑んだ。


「本当に、みんなのおかげだ」


 と感謝の気持ちが溢れた。






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