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15話 肉親の裏切り

・side ドラゴンロード


一向にグレートオーガからの報告が来ないため、私が来た!


手始めに、見かけた村を1つ滅ぼし、そこを根城に活動範囲を広げることにした。


「しゅー(母上、僕は何をしたら良いでしょうか)」

「……私が戻るまでの間、この村の跡地に残って、ここに来た人間を抹殺しなさい」

「しゅー(はい、母上! このカスパール・ラドンが必ず魔獣四天王の母上の役に立って見せます!)」


まだ小さなトカゲほどの体の息子だが、既に戦士としての心構えがある。私の側近も連れてきたことだし、危険な仕事は彼らにまかせたら良いだろう。


「もし側近が死ぬほどの強い手練れが来たなら、逃げるのだ」

「しゅー(ですが……)」

「生きて情報を持ち帰るのも大事な仕事だぞ、息子よ」

「しゅー(……はい!)」


頼りない息子だが、小娘達を始末して、グレートオーガの馬鹿を連れ戻した後に、鍛えなおすとしよう。


さあ人間よ、魔獣四天王の恐ろしさを知らしめてやるぞ。


◇ ◇ ◇ ◇


・side エリア


ブルードラゴンの討伐。

ランクC以上の者対象。

私達はDランクだったけれど、ちゃんとギルドに申請し受注出来た。グレートオーガ討伐の実績があったことで無事に許可が下りた。


そしてここがブルードラゴンの現れたという村。

既に魔獣によって滅ぼされている。

いたるところに人間の死体がある。


しかし人間もやられっぱなしではないようだ。

既に私達とは別の先発隊が到着し、魔獣と戦闘を繰り広げている。魔獣の死体の山が築かれている。


お、あそこにも先発隊の男達が戦ってる。


「ヒャッハッハッ! 魔獣は皆殺しだぁ〜!」

「ホホホーッ!!」

「お前の死体を吊るし上げれば、ブルードラゴンがやって来るかもなぁ〜!」

「しゅー(くっ、下衆どもめ! )」


小さなトカゲの魔獣を、禿げた男達が取り囲んで蹴っている。


う〜ん、やり過ぎでは?

ひと思いに殺すのでなく、痛めつけるだけの攻撃。

ただの憂さ晴らしだ。


殺すならひと思いに……おや……


「……人間ども、何をしている?」


空から巨大な青い竜が降りてきた。

しかも人の言葉を話している。


「しゅー(母上!)」

「おいでなすったなぁ、デカブツ!」

「ヒャッホー! ブルードラゴンだぁ!」

「俺が殺してやるぜぇ!」


「私はドラゴンロード。竜族の王妃だ。魔獣四天王たるこの私に殺されることを誇るがよい」


ずおおおおおおお!!!

何の音かと思えば、ドラゴンが思いっきり息を吸っている。これはブレス来るなぁ。


「おらぁ!」


ハゲの突撃攻撃。ブルードラゴンの首に鬼の棍棒のようなものが叩きつけられる。


ガキィン!


「なっ!? 効かねぇ!?」

「アースドラゴンを一撃で葬り去ったアニキの棍棒が効かないだとぉ!?」


ほー。あのブルードラゴン、魔技で全身を硬化させているようだ。


と、呑気に観察している場合ではない。

魔力を乗せた超高威力の炎の息が来そうだ。

シュププ以外の人を守る余裕はない。


「しゅー(やばい僕も攻撃範囲に入ってるぅ!?)」

「さらばだ人間!! そして逃げて連絡しろと言ったのにそれすら出来ない恥さらしの雑魚息子!! 一緒に死ねぇ!!」

「しゅー(母上ひどいいぃ!?)」


ごおおおおおおおお!!!!!


私は分厚い氷の壁で身を守る。

シュププ……と何故かトカゲ魔獣も私達の壁の内側で守られている。


炎がおさまる。

氷の壁を解除する。


辺り一帯、焼け野原。

骨も残っていない。


「……ほう? やるではないか小娘ども、グレートオーガを殺しただけのことはあるな」



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