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10話 薬草採取 エンカウント

洞窟を出て、町に戻りシュププをギルド登録させた。


「シュププ、まずは冒険者の基本、薬草採取から始めようか!」

「お任せくださいお嬢様!」


依頼を受け、町を出て森の中へ。


「シュププ、簡単な依頼だからといって、侮っては駄目だよ。例えばポ◯の肉を納品するだけのクエストに乱入してくる突進野郎とか居るからね」

「いったい何の話ですか?」


弟から借りた狩りゲーをのんびり遊んでいた時、あれはビビった。横で見ていた弟は手を叩いて爆笑していたな。そんな事するからモテなかったんだろうなアイツ。


なお突進野郎はゲーム後半で閃光ハメしてボウガンで蜂の巣にしてやった。懐かしい思い出だ。


「シュププは炎の魔法だけ使えるんだっけ」

「他にも、炎魔法を派生させた高熱ですね!

森で炎は火事になるので、剣に熱を加えて使ってみます」


シュププは剣を構えて見せた。

剣は赤くなりドロッと溶けた。


「……」

「お嬢様」

「……魔法の出力が上がったんだね」

「はい! 10万Gほど台無しにしてしまいましたが、依頼で取り返しましょう!」


とはいえ、薬草採取でそんなには貰えない。せいぜい5000Gほど。


強い魔獣でも出現すれば、そいつの素材を売ることが出来るのだけどそう都合よく現れたりはしな……ん?

森の向こうから悲鳴が聞こえる。


「「ウワァァァアアアアアアアア!!! グレートオーガが現れたぁぁぁあああああーーー!!!」」


2人組の男が走ってきた。そして私達の傍を通り抜ける。


ドスン、ドスン、ドスン……。

背丈6mほどある、角が2本生えた筋肉モリモリの赤い魔獣が現れた。


「……フン、人間の小娘よ、ここに人間の男が通らなかったか?」

「ひいぃ、あ、あっちですぅ」


私はガックガク身を震わせて、先程の男達が逃げた先を指差す。シュププは私の前に立ち、警戒姿勢を保っている。


「……フン、雑魚を痛めつける趣味はない。だがあいつらは駄目だ。同胞を殺した。その報いは受けてもらおう」


グレートオーガが背を向けて走り去ろうとし……、


「ウインドカッター!!」


バスン!! グレートオーガに風の刃をお見舞いした。あたりに土埃が舞う。


「あーっはっはっは! 女子供だからって油断したなぁ!! このヴァァアアーーカ!!」

「さすがですお嬢様! 筋肉馬鹿のグレートオーガを、見事な演技で騙し討ちするその所業! まさにレーヴァテイン伯爵の手腕そのもの!!」


シュププが褒め称える。

いや、お父様どんだけ悪名高かったんだよ……。


「……フン、油断していたことは認めよう。そして、俺様に不意打ちとはいえ攻撃してきたその勇敢さは褒めてやろう」


土埃が晴れると、何食わぬ顔で立っているグレートオーガ。あっれ? ウインドカッター効いてない?

レベルアップで威力上がったのに?


「……その勇敢さを讃えて、俺様の手で葬る栄誉をくれてやろう」

「あの〜、追いかけてた男達、見失うんじゃないの?」

「……フン、臭いは覚えている。貴様らを葬って、ゆっくりと探すとするさ」

「地獄の業火!!」


シュププから炎が放たれ、グレートオーガを包み込む。


「やりましたお嬢様!!」

「いかん、それはやってないフラグ!」


炎の渦からグレートオーガが傷一つなく現れる。

こいつ、まさか……!


「魔法が効かない体質!?」

「……フン、正解だ。それに並大抵の打撃も効かない。俺は次期魔王候補、強さなら世界最強だ」

「万事休すですお嬢様!!」


魔法が効かないって、メタ◯スライムかよ!!




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