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5-3:Watercolors再び

「以上でライブは終了となります。みなさんありがとうございました!」

 オタカラのメンバーが揃ってそう宣言すると、彼女達は舞台袖へと帰っていった。


 とうとうライブが終わってしまったのか…。とりあえずイスに座ろう。

 それにしても、ライブというものは疲れるものだ。曲に合わせてブレードを振ったり、色を変えたり、手を叩いたりと。さすがに声は出さなかったが、曲に合わせてついつい自然と体が動いてしまうのだ。ライブ中は普段はすることがないような動きをしていたため、いくら体力自慢のわたしでも疲れてしまった。だが、これは心地よい疲れだ。正直言うと、ライブ中は興奮でずっと浮ついた気持ちだったため、ライブの内容についてはあまり覚えていない。しかし、今はものすごく幸せな気持ちに体中が包まれている。


 あっ! それよりも早く帰り支度をしなければ。リョウ君を待たせるわけにはいかない。早速準備を始めようとしたのだが、会場にいるオタオタは全然帰ろうという気配がない。何やらあんこ―あんこーと言いながら、ずっと手拍子をしている。あんこの意味はよくわからないが、ライブの余韻にでも浸っているのかな、と思ってしばらく様子を見ていると、


「みなさーん、あんこーありがとうございまーす。」

 と言いながら、なんとオタカラが再びステージに戻ってきたではないか。

 そして、ライブが再び始まったのだ。


 そうか。あんこーとは、こういう演出のことか。伝導シリーズで言う所の、おまけのフィギュア部分といった所か。それも、URの導師様でも引いたかのようなうれしさだ。

(まあわたしは、URの導師が出たとしても、別にうれしくもなんともないのだが。)


 わたしは、再び立ちあがり、ブレードを振り回した。


 そんなライブも、気づけばあっという間だった。あんこ―を終え、今はメンバー一人一人が今日のライブの感想を述べている。

 今はアリスが話をしている所だ。

 ああ、本当にライブが終わってしまうようだ。


「今日のライブはお城の規模でいうと、犬山城でライブをすることができた。でも、私個人的にはここは安土城だと思っている。私が一番好きな城だ。そして、私も侍大将として、今日はこの城に一片のキズをつけさせることなく、最後まで完璧に守り抜くことができた。これも皆一人一人のがんばりがあってのものだ。誠に感謝する!」


「オー!!」

 オタオタはアリスに向かって大声で声援を送り、ブレードをアリスのイメージカラーの銀鼠色にして振り回している。アリスの発言を聞いて、笑っている者もいれば、キョトンとしている者もいたり、本当に感動して涙している者もいる。


 そして、最後にリーダーのリタの順番がきた。

 おっと、ブレードを柑子にしなければ。


 リタはマイクを握ると、


「みなさん。今日は、私達Watercolorsのライブにお越しいただき、誠にありがとうございました。」

 と、まずはオタオタに感謝の言葉を述べた。


「ありがとう!!」

 オタオタからも、リタに対して大声援と柑子色のブレードでそれに応える。


(こちらこそありがとう。)

 わたしも、気持ちの中でそれに応える。


「今日のライブ、どうでしたか?」


「最高!!」


(想像以上だった。最高だったよ。)


「ありがとうございます。今日は私達Watercolorsが結成して5周年ということで、やっと、9人揃って私達の地元であるA市でライブをすることができました。これもみんなのおかげです!」


「イエ―イ!!」


(こちらこそ、ライブを開催してくれてありがとう。)


「今日はせっかくなので、私達がデビューしてから5年間のことを少し振り返りたいと思います。」


「オー!!」

 マジか? 何話してくれるの?

 リタの言葉を聞いて、会場はすごい盛り上がりとなった。


(!?)

 わたしは、その時スクリーンに大写しに映ったリカの表情が、ほんの一瞬、少し暗くなったことに気がついた。


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