平行線の世界R3
平行線の世界R3
その少女は剣。
剣は、甚大なダメージを受けた。
心に大きなダメージを。
だから、歪んだ世界で過ごしていた。
彼に手を差し伸べるのは、かつての対翼。
彼女を空に運んだ人間だった。
その翼は、剣に話しかける。
空なんか飛べなくていいと。
優しいのねと、剣は笑い続けた。
剣の生きる世界はとても幸せに満ちていた。
しかし、剣は武器だ。
だから、使おうとする人間が現れる。
そのたびに翼は剣を連れて必死に逃げた。
だが、ついに逃げ切れなくなる。
翼はボロボロになって、地上へ落ちてしまう。
せめて、剣に逃げろといったけれど、剣は逃げなかった。
なぜなら、剣は自分より、他社を優先するものだったからだ。
剣は変わらなかった。
何もかも変わってしまっても。
最後まで、心の真ん中は変わらなかった。