第一話
俺には主人公の幼なじみがいる。
主人公と言っても、別にこの世界がフィクションの世界であることに気づいて、幼なじみのソイツが主人公だった、とかそういう話ではない。
ただ単純に、主人公みたいなキャラのやつがいたのだ。
神扇寺慧牙と言う名前で、本人は普通の男子高校生を自称しているが、芸能人かと見紛うほどの容姿に加え、成績優秀、スポーツ万能、さらに性格も謙虚で優しいとどっからどう見ても普通じゃない。
そんな人がいたら、大抵の人が抱くのはきっと嫉妬とか、敵愾心とかそんな物だろう。そりゃあ俺だって、最初アイツと会った時に抱いたのはそんな物だったさ。
だけど俺はある出来事を経てから、その考え方をガラリと変えた。
ある出来事があってから、俺のあいつに対する嫉妬心は、尊敬に変わった。
アイツのことをまるでマンガとかアニメとかに出てくる『主人公』みたいな奴だと思った。
だから、俺はそんな『主人公』の手伝いをするために『友人キャラ』になることを決めたんだ。
陰キャじみてた性格も、そのために『友人キャラ』に相応しいようなチャラい感じに変えた。
全ては、慧牙を主人公にするためだ。
だけど、あるきっかけでそんな俺の友人キャラライフは突然予想もつかないものへと変化することになる。
まあ、とは言ってもシリアスな感じじゃなくて下らない感じだから、肩の力を抜いて見てもらえると嬉しいね。
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