(拉致監禁)
ShadowsⅡ3(拉致監禁)
ジンはジェフのテレキネシスでのトラックの攻撃をまともに受けてしまった。その時にジンは咄嗟に周囲に鋼鉄のバリアを貼り一命は取り止めた。だが思いの外ダメージが大きくて肋骨が数本折れたようだ。ロスの病院のERに担ぎ込まれたが命に関わるような事は無かった。日本からは尾形と堀田、浅倉が見舞いに来てこの分なら一週間で退院と言う所らしい。尾形が君一人で良く戦った。今回敗れたとは言え敵の中にテレキネシスを使える者もいると分かった。こちらは能力者の数がいかにも少ない。早急に手を打たなければならないと尾形は言った。それには潜在的な能力者をあちらの七海に味方に取られる事無くこちら側の人間に引き入られなくてはならない。そう説明する尾形。
それにはまずはテレパシーの能力を持っている人物を引き入れてその上で能力者の選別をして行かなくてはと話す尾形。今こちら側にいるテレパシストは北野亜里沙だけだ。だが彼女は未成年だ。慎重に扱う事が求められる。それで尾形の信頼出来る能力者を引き入れる事にしたと説明する。それにここはアメリカのロスだ。出来ればアメリカ人の能力者がいれば私が説得すると言う。
それから今まで仮にShadowsと言って来たが日本での正式名称はS機関だ政府の直轄機関だが公にはそんな組織は無い事になっている。あとアメリカにも非公開だが大統領直轄の組織があると言う。そこに協力を頼むつもりだと話す尾形。それからShadowの薬だがトップシークレットだ。だが君たちには一応説明しておこう。太古の時代には人間と言うか原人にはその能力(テレパシー他)があったと言われている。Shadowの薬自体は大脳のサイキック領域と呼ばれる組織部位に作用して超感覚と言うかある意味超能力組織部位の活性化を促す薬だ。ある意味先祖返りと言う事なのかも知れ無い。あ・・・横道にそれて脱線してしまったな。
テレバシーの能力を持っている者は早急に手配する。そう言ってジンに治るまでの我慢だ護衛は堀田と浅倉に就いて貰うと言うと尾形はお大事にと言い部屋を出て行く。
それから数十分してジェニーと言う女性が現れる。彼女は堀田と浅倉の護衛の事は聞いていたようだ。ジェニーの容姿は掘りが深く黒髪を長くストレートに伸ばしている。さてこのジェニーどこかの誰かに似ているのだが・・・。ジェニーはジンと昨夜の話をする。突然の大型トラックの攻撃、それも泊っていた他の客には目もくれずジンだけを狙ったと言う。ジェニーはそうするともしかして敵にもテレパシストが少なくても一人はいてジンの動きは筒抜けだったのかもと話す。それと同時に監視カメラとかでも監視していたのかもと話す。ジンは名前は知らないがハッキングが出来る人間も向こう側にもいるようですと話す。あとジェニーは昨夜変なテレパシーを聞いたと話す。それは『誰か聞こえる?』と言うものだったようだと話す。ですがその声は何処かで聞いたような懐かしい声だった気がするんですと言う。
その夜の事。消灯の時刻が過ぎてもジンは個室で眠らずに横になって考えていた。あの時何故敵は攻撃を止めてしまったのか?それが心のしこりになっていた。ジェニーが化粧室に行くと言って病室から離れて2~3分。ジェニーと瓜二つの女が服まで同じにしてジンの個室に入る。堀田と朝倉はジェニーとばかり思っているのでその女性を止めようとはし無かった。あるいは堀田と浅倉はテレパシーで操られたか?
ジェニーは化粧室で堀田と浅倉、ジンのテレパシーが異常だと感じてバッグの中から自動式の拳銃を出して急いでジンの病室に向かった。だがジンはジェニーと瓜二つの姿をした女性に催眠を掛けられて眠りジェニファー自身は看護師の制服に急いで着替えてジンをベッドごと連れ去る事に成功した。それを追うジェニー。だがジェニーの行こうとする場所はすぐ邪魔が入る。例えばクリーニング係が急に出て来たりアルツハイマーの患者さんが急に話かけて来たりエレベーターには途中の階でロックが掛けられていたり。非常階段を使ってジェニファーを追うジェニー。ジェニーは途中でテレパシーを聞く『貴方はまだまだね。出直していらっしゃい』ジェニファーは救急車にジンを乗せてフルスピードで逃げ出す。
猛烈な反省をしているジェニーは声の主に心当たりが着いたようだ。まさか小さい頃別れた姉さん?ジェニファーはジェニーの双子の姉だったようだ。だが今は緊急時だ。それ処では無い。アメリカの組織に連絡したジェニーはこの際、警察もFBIも動かせるものは全部使って取り戻さなければと考えていた。
あとはジェニーの姉ジェニファーの行きそうな所とかジェニファー自身のテレパシーを集中して聞いて居所を突き止めるしかないと考えた。あとはジンがテレパシーをキャッチ出来る状態なら居所の見当もつくんだけどと考えていた。それと今回のように能力者一人だけの場合七海の方は拉致してくる可能性がある。テレパシーの能力のある者と共に行動し無いと危険だと組織に報告するジェニー。だがジェニーは姉の事は上には伏せていた。
暗示を掛けられていてちょっと朦朧としている堀田と浅倉に一緒に来るように言い、ジェニーは実は今回の拉致は実の姉がやった事ですと正直に言う。上の組織には黙っていてくれるように頼むジェニーだった。何時かは分かってしまうでしょうけど暫くは・・・。少なくても今度の事が片付くまでは黙っていて欲しいと頼む。堀田は君は君。お姉さんはお姉さんだ。例えお姉さんが敵だったとしても君には責任は無いよと言う堀田。
一方、七海の側に捕まったジンだが周りを鋼鉄の部屋に囲まれている監禁部屋に入れられていた。もちろん拘束具を着けられている。その上ジンには意識を奪う薬物が投与されていた。もうこうなると七海は一端のマフィアですけどね。って日本でも暴力団を操っていましたけれど。
ジンが監禁されている所は港の倉庫の中でその一画に監禁部屋が作られていた。対能力者用の監禁部屋だ。それでも薄れる意識の中でジンはジェニーの声を聴いた気がした。『何処にいるの?ジン』その言葉はジェニファーによって妨害されていたが、それでもジェニーの一生懸命に呼ぶ姿は堀田や浅倉には本気に見えた。『実の姉にもし拳銃の引き金を引かなければなら無い時引けるの?』とジェニーは迷いながらも『しなければなら無い時には引き金を引く』と・・・。覚悟を決めたようだ。
ジェニーはジェニファーに『決着を着けるわ』とテレパシーを飛ばす。だがShadowsの仲間は堀田と浅倉、ジェニーの3人だけ。対して七海の方はと言うとジェニファー、白鳥瑤子、ジェフ、ジョン、キール、高田健一(テレパスが2人、テレキネシス、ハッキング、雷、夢に進入などの能力者だ)全員が入り乱れて攻撃をしていたら七海の側は仲間に間違えて攻撃しかねない。だが昔よりはチームで攻撃するようになって来ている。Shadowsの方は今回は余りにもなめていた為にジンを拉致されてしまった。出来れば日本にいる北野亜里沙と山口美咲が味方に加わってくれれば良かったのにと思う堀田と浅倉。もしかしてテレパシーの能力が日本まで届かないかな?と堀田は亜里沙に話し掛ける。『亜里沙君。聞こえるか?亜里沙君!』少しして『堀田さん?何処から話しかけているの』と聞くから『アメリカのロスからだ。今から言う住所に行って山口美咲君を呼んで来てくれないか?』そう言うと美咲の住所を言うとそこに行って美咲を呼び出す。そして堀田は今の能力では戦えないかも知れないからとShadowの薬を一錠飲んだ。どうなったか?瞬間移動は同じだがテレポートの能力、もしかするとそれが芽生えたかも?それも長距離を飛べるかも。此処でその能力が出るのは余りにも都合が良いがそれも運命かも!と言う事で亜里沙と美咲を連れて3人でアメリカのロスまで急ぎでテレポートして戻って来た堀田。
ジェフとキール、ジョンは高田健一と共にまずはキールが雷で堀田と浅倉、亜里沙と美咲をジェフがテレキネシスで建築資材の鉄骨をぶつける攻撃を仕掛ける。浅倉が鋼鉄の身体で雷を受ける。またもダメージを受けるのだが浅倉が雷を受けていてくれた間に堀田はジンを助け出す。亜里沙と美咲の方は美咲が建築資材の鉄骨を炎の剣の攻撃で受け流す。亜里沙は堀田と浅倉とジンにテレパシーを送りどう動いたら良いか指示を出す。
ジェニーとジェニファーの戦いは精神世界の戦いだった。お互いの心の領域に入り深層心理の中に入る。ジェニファーもジェニーも子供の頃の記憶が懐かしんでいる所がある。『姉さん・・・』『ジェニー・・・』だが大人になるに従って男に騙されたり捨てられた経験が多いジェニファーの方は里親が見つかって育ったジェニーがかなり幸せに暮らしているのを見てジェニファーは嫉妬の感情を持つ。そしてお互いの感情がぶつかった時、愛と憎悪の感情が渦巻きまたぶつかる。『何故こんな風に力を持ってしまったのか?その能力を使って自分の為に使ってはいけないのか?』ジェニファーが聞く。ジェニーは『薬で能力を得たのは偶然だと思うけど能力がある事を他の人には見せない方が良いと言う事。もしそんな能力がある事を普通の人が知れば化け物扱いをされる。この能力を得たのは正しい事に使う為。その所が分かる人と分からない人がいると言う事。どうしてもその能力を使って権力を得る為に使うなら排除されると言う事。今はこの能力を法では裁け無い。だがら私が姉さんを裁く。例え刺し違えても・・・』
そう言うとジェニーはジェニファーに拳銃を突き付けて撃とうとする。だが引き金が引け無い。『どうしたの?撃てないの?じゃ私が生き残ってこの世を正しい方向に導いてあげる』そう言うとジェニファーも拳銃を突き付ける。そしてジェニファーが引き金を引こうとする時。堀田がテレポーテーションで急に現れて銃身を抑えて止めてしまう。そしてジェニファーに軽く当て身を当てて気絶させる。「君の信念は姉さんにも伝わったよ」そう言うと倒れているジェニファーに手錠を掛ける。その後地元の警察やらFBIやらがわらわらと来てジェニファー他一味を連れて行く。
白鳥瑤子は七海にテレパシーですんでの所で予知を聞かされて高田と共に逃げ出していた。ジンは薬の影響からか半分眠ったようになっていて再度病院に救急車で運ばれた。ジェニーにはお咎め無しのようだ。今まで通りジンの病室の警護をしている。堀田も浅倉もだ。
※あくまでもこの小説はフィクションであり登場する人物・団体は架空のものです。