表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界物書き道中  作者: トッキー
9/10

突然の来客者

「アンダーが会議にでてた!?」

「そうだクズ。それで戦争の話をしていた」

 俺は帰ってきたモミジから話を聞いていた。

 戦争か。どうやらこの五国もきな臭くなってきたな。

「それでアンダーと手合わせしたんだが」

「手合わせしたの!?」

「ああ。完敗だった。こちらの技が通用しなかった」

「怪我は?」

「ないな。全身の骨と肉が意識を失う前に悲鳴を上げたんだが」

「そうなると、アンダーは回復魔法も使えるという事ですか…」

「そうなるな。致死の一撃を癒すほどの回復魔法は英雄にしか使えないからな。あの場にいた英雄はジョーとアンダーだけだった」

「ジョーはたしか簡単な回復魔法しか使えなかったし、神殿にモミジさんを送ってない所を見るとその場で回復したんでしょうね…」

「ああ。クズが臭い女魔術師の所に行っている間、私は死にかけてたな」

 そのモミジの言葉は少し棘があった。

「?モミジさんすごい機嫌が悪くなって…」

「ここジョセフさんの家ですよね!!」

 ます?と聞こうとした時にそいつは現れた。

「なんだお前は?」

 家に無断で入ってきた客に機嫌の悪いモミジが言う。

「あっ私はエミリアって言います。冒険者です!」

「そうですか。お話をしに来てくれたんですか?ですがもう日も落ちるのでまたの機会に」

「違います。私はモミジさんという人に弟子にしてもらいたくて来ました!」

「ん?」

「はあ?」

「あの貴女がモミジさんですよね?弟子にしてください!」

「断る」

「そう言わずに。鉄壁のジョーってくそ英雄の屋敷に行ったんですけど門前払いされたんですよ!」

 くそ英雄か。なかなか見所のある奴だな。

「私の所に最初に来なかったという点も苛立つし、気に入らん。それに私は明日からこのクズと一緒に町を出る」

「それ俺も初耳なんですけど…」

 何故に町を出るのか?

「じゃあ連れて行ってくださいよ」

「断る」

「そこをなんとか!」

「まあまあ二人とも落ち着いて」

 こういう変な奴は厳しい条件を出せば帰るに違いない。

「モミジさんに弟子入りするんですよね?」

「はい!」

「お金もでませんし食事もだしませんよ?」

「大丈夫です!」

「モミジさん厳しくて大変ですよ?」

「望む所です!」

 負けたよ。

「負けました。モミジさん頼みます」

「おい…クズおい…」

「弟子入り決まりましたね!それじゃあ宿に帰りますんで!明日からお願いします!」

 そう言ってエミリアという女は去って行った。

「モミジさん…どうしますかね?」

「明日町を出るんだ。置いていけばいい」

「それ初耳なんですけど…」

「修行の旅に私は出ようと思う。クズもついて来てくれるだろう?」

 えぇ…

「何故修行の旅に?」

「負けたからだ。何も出来ずにな。私は私が許せない」

「何故俺がついていくと?」

「クズは私の財布だ…ついてきてくれるだろ?」

 そう言ってモミジは珍しい不安と焦りの表情を浮かべる。

 そんな顔をされたら俺は…

「分かりました。行きますよ」

 いや。そんな顔されたからじゃなく、五国もきな臭くなってきたし旅で出会う人物との話や経験も物を書くのに役立つ。

「そうか!……いや当然だな。では明日出発するぞ」

 こいつ俺の護衛だよな。なんで仕切ってるんだ。

「モミジさんの修行の旅もそうですが、私も仕事として見聞を深めますよ」

「了解だ。旅の準備もある。私は帰るぞ」

「分かりました。俺も準備します。どこに行くかは決めてます?」

「クランオール以外の国なら何処でもいい」

 ノープランかよ。

「考えておきます」

「ああ。じゃあなクズ」

 そう言ってモミジは帰っていった。

 旅にでる事になってしまったな。そうだ観光に行こう。

 商国ザードリィなら迷宮もあるしモミジさんの修行には最適だ。

「…忙しくなりそうだな」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ