物書きが嵐を巻き起こせたらよかったね
俺の名前はジョセフ。
物を書き、細々と生活している一般町民だ。
この世界には英雄やら強大なモンスターやら常識を投げ捨てている非常識な奴等がちらほらいるが、俺は一般町民だ。
そんな奴等の話を書いたりして金を貰っている時もあるから、もっと英雄同士とか英雄と怪物とか怪物とか常日頃もっと争えと思っている。
まあ、他の話も書く時は書くが。
俺の物を書くにあたっての弱点は、自分の空想や妄想であまり書けないという点に尽きる。
だから実際に会ってみて、話を聞き、そいつの話を書いたりもする。
噂話を聞いて適当に仕上げる事もあるが。
英雄とかプライド高くて話をしてくれない奴とかいるから、そういう奴等は悪い噂話参考にして悪く書く。
「おいクズ。何を真顔で考えてるんだ?キモいからとりあえずなんか喋れ」
俺の事をクズと呼ぶ東方出身のこの女の名前はモミジ。
護衛で雇っている。
良い言い方をするなら相棒という奴だ。
「いやいやー。あれっすよダンディズムに浸ってみたい時ってあるじゃないっすかー。男なら」
「ふーん…キモいな!」
なんでこいつ護衛で雇ってるのだろうと思うことはある。
そこそこ美人だからかもしれない。
「ははは。モミジさんにはかなわないなー」
「そんで、今日の仕事は?」
「二流冒険者に話聞きに行くので護衛頼みます」
「じゃあさっさと行くぞクズ。私はさっさと終わらせて昼間から酒飲んで、一生懸命働いてる奴等を笑いたい」
「了解です。そんじゃあ行きますか」
今日の俺の仕事が始まろうとしている。