【ゴミ拾い1袋目】
はじめまして、のりっちょです。
小説って起承転結を考えてから書くものなのかもしれませんけど…
やり方もテクニックも文法も解らない私ですが、楽しく綴れたらいいなと思っています。
作者であり、1番の読者でもあるのが、創造することの特権だと思って続けてみますね。
なんだって、俺はこんな事を毎日続けているんだろうか…
そんな事を考えては忘れ、考えては忘れ。
ただ黙々と目の前の作業に集中している。
死んだ婆ちゃんがやってた、ボランティア活動とでも言うのかな
子供の頃に手伝っていた近所のゴミ拾いを、俺はなぜか日課にしてしまっている。
婆ちゃんからあとを託されたとかではないし、やってるからといって誰かに褒められたりするのを期待してる訳でもない。
引っかかっていることがあるとしたら、思春期を迎えたあたりに婆ちゃんのボランティアを手伝わなくなった事くらいか。
子供だましのような、とはいえ婆ちゃんなりの気の使い方のような…
子供の頃、ボランティアを手伝うと婆ちゃんが50円くれた。
何度か手伝っては、駄菓子屋でたくさんのお菓子を買ってた事が俺の思い出だ。
「さてと…そろそろ仕事に行くかな」
当たり前だけど、仕事もしている。
…アルバイトだけど。
高校を卒業してから、製造業の会社に就職もしてみた。
ごくごく普通って感じの生き方だ。
だけど、3年ともたなくて結局やめてしまった。
今じゃ親のスネを半分かじってるような生活をしている。
ボランティアを始めた事も、もしかしたら両親に対しての自己防衛みたいなもんなのかもな。
「おっはよ、銀さん」
「おはよう、月島さん。今日も無駄に元気そうだな」
あぁ、銀さんってのは俺の事。
星野銀河って何とも壮大なスケールの名前が付いてる24歳。
んで、話しかけてきた子はバイト先の後輩。
月島宇宙…って、これはこれで壮大なスケール感を出してるな。
最近高校を卒業したばかりらしいから、18歳とかだろう。
「今日も、ゴミ拾いしてきたんですか?」
「まぁね。来る時にやれば、ここでゴミの分別して捨てれるしな」
「銀さん!」
月島さんは、グイッと親指を突き立てて俺との距離を詰めると
「1ポイントゲットです!」
「貯まるといい事でもあんのか…それ?」
「今のところは、特にないです!」
「んじゃ、100ポイント貯まるくらいまでには何か用意しといてくれ。」
「銀さん的には、何か希望あります?」
「現金」
頬をふくらませて、ジトっとした眼差しをむけられる。
「そんなものでいいんですか〜?」
「金額にもよるけどな」
「そんな紙切れよりも、もっとステキなものを欲しがりましょうよ!」
「そんな紙切れも、沢山あればステキだぞ?」
「いいえ、宇宙的な規模で考えたら沢山あろうと紙切れは紙切れです!」
でた…宇宙的思考回路。
彼女は、ことある事に宇宙規模で問題と向き合うのである。
世の中の様々なニュースも、彼女にかかれば宇宙の理とかなんだとか。
「そもそも、こんな可愛い子に褒められてるんですよ?宇宙的な考えなら、それだけでもラッキーってもんですよ!」
「宇宙ってのは、随分と一方的なんだな」
「その通りです!ありのままを受け止めて、喜べば良いんですからね!」
なんか、後半から説教されてる気分だ。
まぁ、ここは宇宙的な考えって事でラッキーだと思っておくか。
反論すると宇宙規模の反撃がきそうだしな。