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ホームレス娘と仲良くしたい!  作者: 結城 新太
9/19

ホームレス娘との約束。2

「結婚……?」


突然の言葉に固まってしまった。

この女の子はいきなり何を言い出すのであろうか。

昨日知り合った見ず知らずの男に結婚しよう、なんて……。

いや……この子は、それだけ '人生を捨てている' のかもしれない。

劣悪な環境に生まれ、育てられ、その環境から逃げ出してきた。


「もし……見つかってしまったら?」


その先の解答はおおよそ見当がついていた。

人生を捨てている女の子。

警察に見つかり、両親の元へ帰され、再び劣悪な環境に戻るくらいなら……。


「その時は……一緒に死のうか」


お兄さんは捕まっちゃうし、私もあんな親の所に帰るのは嫌だもん。最後までお兄さんと一緒がいい。と、続けた。

やはり。

この子は人生に絶望し、こんな人生からいち早く脱落してしまいたいと、そう考えていた。

悲しみが込み上げた。

こんな歳の女の子が、既に人生を捨てているのだ。

自分も人生を謳歌しているわけではないが、少なくとも死を考えるほどの状況には、これまで相対してこなかった。

女の子の決意は相当なものだったであろう。


「……わかった。死ななくていいように、俺は君を守るよ」


自分にとっても、それは、大きな決意だった。

どんな手を使っても守ると、大きな決心だった。

惰性に流されていた日常、大きな転機だった。


ありがとう。と、女の子は笑いながら少し、涙を浮かべていたように見えた。


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