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ホームレス娘と仲良くしたい!  作者: 結城 新太
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ホームレス娘との出会い。3

スポーツの話題です。プロ野球が……、続いてのニュースです、行方不明の……、この事故による死者は……、あの大物有名人が交際発表……。


この時間になると、テレビでは面白くもないニュースしかやっていない。リモコンでテレビを消して窓を開ける。あたりもすっかり暗くなった深夜1時前、こんな時間になってもやはり外は蒸し暑い。


外ではあれだけうるさかったセミの声も、今や鈴虫の心地よい音に変わっている。


「小腹がすいたな」


コンビニでも行くか、と、財布と携帯、家の鍵だけ持って外に出た。そんな時に、昼間に出会った女の子のことが気にかかった。


「流石に、な……」


コンビニに向かいかけていた足を止め、空き地の中へ入っていき、携帯のライトを利用し土管の中をのぞき込む。


女の子はいなかった。が、そこには毛布のようなものが乱雑に置いてあった。毛布をよかすと、下には雑誌や新聞があった。


「まるで秘密基地だな」


子供たちがこの人通りの少ない公園を秘密基地として利用していて、さっきの女の子はそのメンバーの一員なのだろうか。


「なにしてるの?」


「うわ!」


ゴンッ! 突然後ろから話しかけられて驚いて頭を上げてしまった。昼に聞いた鈍い音が辺りに響き渡る。


「だ、大丈夫?」


頭を抑えながら声のする方を見上げると、さきほどの女の子が立っていた。


「き、きみ……こ、こんな時間にどうしたの?」


鈍痛が響く頭を抑え、声も震えていただろうが、自分の頭痛よりこんな時間にこの子がここにいる理由が気になった。


「なんで……わたしの居場所はここだから…」


「ああ、秘密基地ってこと? でもこんな時間よ、帰った方がいいんじゃない?」



「いや……ここがわたしの家なの」

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