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まだ小さな子供の頃から独りぼっちの孤独な人間だった。
両親は親とは思えない程に勝手で、幼稚園の帰りから夜遅くまでずっと1人。
たまに知り合いの人達が差し入れを持ってきてくれた事が子供ながらに助かっていた。
ギャンブル狂で酒乱で暴言を吐き暴れる父親と、毎日夜まで帰ってこない遊び人の母親。まさに絵に書いたような崩壊した家族。
こんな生活を送るのなら、初めから子供なんて作らなきゃいいのにと子供心ながら思っていた…。
休日になると周りの子供達は両親と一緒に楽しいお出掛け。その家族達に誘われて便乗する俺。もちろん1人で…。
同級生の友人達は父親と母親と…楽しそうに遊んでいる。
馬鹿馬鹿しいのが半分、羨ましいのが半分。複雑な心境だった…。
心の暗闇…
冷めた心。
俺がしばらく先に訪れるであろう未来に冷徹になれたのはこの頃の日常が作り出したのだろう。
今思えばこの頃から、あの夢を見ていたのだと思う。
唯一の逃げ場所。
癒し…。




