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助産婦さんが言う。
「はい、グウーッと力を入れてー」
「んっーーはっっ」
ハァハァ……
「ちょっと難しい、上手くイキめない」
どうやらコツがわからないらしい。
(さすがに俺にわかるわけないから、アドバイスのしようがないな…)
俺は手を握ってやる事しか出来なかった。
医者が吸引機の準備を始めた。
「次でダメなら吸引機を使いますね」
俺の目からも頭が見えているのは確認出来た。
イキんで少し出てくるのだが、イキみ終わると頭がまた引っ込む感じだった。
助産婦さん
「はい。いきますよ~。おもいっきりイキんで~」
「はっーくぅーーー。」
その瞬間さっきまでよりずっと頭が出てきた。
『おー、いい感じだよ。』
「なんかコツがわかったかも、ハァハァ…」
助産婦さん
「はい、もう一度いきますよー」
「んんっーーー」
その瞬間、頭が全部出てきた。
(………おぉ…出てきた)
助産婦さん
「でましたよー。後は力を抜いていてくださいねー」
すると助産婦さんは赤ちゃんの肩を上手くずらしながら取り上げた。
『出たよ出たよサオリ。よく頑張った』
そう言いながら俺は彼女の頭を撫でた。
助産婦さん
「はい。女の子ですよー。」
赤ちゃんがサオリの胸の辺りに乗せられた。
そんな彼女は嬉しそうな表情と疲れきった表情と色々な感情が混ざったような顔をしていた。
安堵の表情に見えた。
女性の人生での大仕事。
特に一番大変であろう初産の成功である。
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子供の名前は既に決めていた。
俺の夢があったからこそ、今この幸せと現実がある。
だから子供にも夢を持ってほしい。
夢のある未来になってほしい。
だから、
【夢來】と名付けた。




