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妊娠が発覚し、徐々に大きくなるお腹。
自分の子供がお腹の中にいると思うだけで微笑ましくなってくる。
全員とまではいかなくても、そう思う男性はそれなりにいるはずである。
実感ってものはまだ湧いてこないのだが、意識だけは常に彼女のお腹に集中していた。
そんな時にサオリが聞いてくる。
「ねぇヤス君。男の子と女の子、どっちが希望?」
『そうだなぁ…どちらでも』
と返事を返した。
(本当は女の子がいいかな。可愛いだろうし。)
なんて思う時もあったりはした。
幸せ…
ただただ幸せ…
けれど落ち着きはした事がなかった。
彼女の親の存在、、、
俺のようなクズがまっとうな父親になれるか、、
不安…
大きなプレッシャー…
それが全身を巡る、、巡る……。
まるで崖っぷち。
今にも落ちそうなほどの不安感。
けれどなるべく表には出さないように心がけた。
妊娠しているサオリをなるべく不安にさせたくはない。
その選択がストレスや不安を溜める事にもなったが、結局正しい判断だったのか、間違いだったのかは今でもわからない。
妊婦検診を重ねていき、胎児も大きくなるにつれて、性別も確定ではないが女の子の可能性が高い事が判明した。
やはりあのもう1つの夢は正夢?
それとも願望が夢になって現れたのだろうか?
どちらにせよ、俺がこの世を去る時までに答えがわかるだろう。
現実になれば正夢。
ならなければ願望。




