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【それで、その人好きなの?】
ある日、サオにそんな事を聞いてみた。
【よくわからないよ。それにもう1人女の子いて…私かその子かハッキリしないし。】
なるほど。
二股ですか。
それってキープされてるだけじゃ…。
【あのさ、サオの魅力に気付かない男なんて捨てて、そのもう1人の女の子にくれてやれよ。】
【そうした方がいいのかな。やっぱり。】
【うん。それで新しい人探せばいい。5年後にまだフリーだったら、俺が貰ってやるよ。】
(貰うなら今日でもいいくらいだ…。)
【貰ってやるって…上から目線(怒)】
(すまない。自分からアプローチした事がないから何て言ったらいいのか…)
【ほら。楽になったろ。これで独りぼっちにはならなくて済むな(笑)だから安心して良い人見つけろ】
(まぁそれも嫌だが…)
似たようなメールを毎日のようにしていた。
彼女は冗談にとらえていたのだろうけど、冗談を言ったつもりはない。
まぁ5年後という年数だけは、だいたいの数字を出しただけだった。
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【ねぇ?5年後…本当に貰ってくれるの?】
【なんだ急に。本当だよ(笑)まぁ5年後までフリーだったらね。それに俺なんかじゃ嫌だろ。だから早く幸せ見つけろ】
【嫌なんて私は一言も言ってないじゃない】
【じゃあ嫌ではないって事にしておくよ。それに俺に興味なんかないだろ】
【興味ないのはあなたでしょ。私はわからないじゃん。でもそうなったらあなたに迷惑掛かるしね。】
(やれやれ…興味なかったら嘘でも5年後に貰うなんて言わないし…)
これはもう思いきって言うしかない…
わかってないみたいだし。
例え作り笑顔だとしても、あんな魔性の笑顔出来る人が奥手…?
いや違うような気がする…
たぶん…怖いのだと思う。
男の勘ってやつだろうか。
【迷惑なんて掛からないわ。それに興味ないなんて事もない】
【はいはい…優しいんだね】
…
……
………。
【単刀直入に言うよ。俺じゃダメ?】
人生で初めての自らのアプローチ。
さらに言うならば人生で最後のアプローチ。




