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辺りが薄暗くなってきた。
友人達は沢山あるお店の列に並んだり、それぞれ楽しんでいる。
それを離れた場所から眺めていた。
ふと横にいたサオが話しかけてきた。
「行かなくていいの?」
『うん。あまり興味ある物はないしね』
「そっか。」
ニコッと微笑んでいる。
『また魔性の笑顔やめろよ。』
「な、ん、だ、っ、て?」
『いえ、、何でもないです(笑)』
「なんか文句でも?フフッ(笑)」
……。
………。
あれ…今の笑い声…。
いつも聞いてる…。
あの夢で。
やっぱり君か。
信じられないけれど、やっぱり君だ。
何がなんだか頭の整理がつかない。
帰り道を友人達の一番後ろをボケーっと歩くしか出来なかった。
「ヤス?どうした?元気ないけど」
ロン君が声をかけてきた。
『いや、大丈夫。何でもないよー。』
「そうか。ならいいんだけど」
確かにまともに会話すら出来ない心境だった。
呆然と歩くしかなかった。
そのあと軽く夕食やお酒をのみ、それぞれが家路に着いた。
俺とロン君とサオと3人になり、サオだけが別方向だったから駅の乗り換えで別れる事になった。
俺達が電車に乗り込むと…
サオが寂しそうな表情でこちらを見ていた。
『そんなに悲しそうな顔するなよ。どうした。』
「う、うん。」
なぜ悲しそうな顔をしていたのかはわからないけど、恐らくは楽しかった1日が終わるからだろう。
そうこうしているうちに電車が発車した。
しかし、電車の中で、衝撃の一言が……。
「ヤス。」
『はいはい?』
「俺さ、サオちゃんの事好きなんだよね。」
『え?ん?え?マジで(汗)』
「うん。でもさ、肉の日あったろ?あの日の朝、振られてるんだよ」
マジっすか…
これどういう状況……。
『そうなんだ。』
その後、何を話したかは覚えていない。
家に着いてすぐに今度はメールがきた。
【さっきの話だけどどうしたらいいと思う?】
【ごめん。相談とかはいくらでもしてほしいけど、その相談だけは答えられない】
【え?なんで?………まさか……】
【ごめん。疲れてるから寝るよ。】
そこでメールは終わった。というかその日以来、一切の連絡は取っていない。正確には一度だけメールしてみたけど、返信はなかった。
お互い複雑な心境だったのだろう。




