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「やす君……ヤスアキ……。」
(…ん…。)
冷たい風が染み渡る中…
ふと公園のベンチで目が覚める。
そう。季節は冬の初め。
寒さがひしひしと身体に突き刺さる。
(あれ…そうか。俺家出したんだ。)
あまり記憶がない。
いつもそんな感じだった。
(知らないうちに寝ちゃったんだな)
俺の名前はヤスアキ。
極普通の16歳…とは言えないかも知れない。
小学生の時に両親が別れ、母親の方に引き取られた。
その母親が無神経な男ばかり家に連れ込むので家出した。
思春期を迎えた頃の若者にはよくある話だ。
理由はそれだけではないが何かがプッツン切れてしまったのだろう…。
そんな事もあり、野宿と友人宅を渡り歩く日々である。
完全なる家なき子。
そんな俺が永い永い間…いつも見続ける夢…
とある女性がずっと俺の名前を呼び続ける。
数日に一度…
多い時には毎日の日課のように見ている。
その夢は何処かあたたかく、温もりさえ感じる夢だった。




