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いつまでもいつまでも繰り返す夢。どんどん近づく女性の声。20歳…21歳…22歳………。年齢を重ねるたびに近づく綺麗な声。その手、その瞳…。
なんなんだこの夢は…。夢?果たして夢なのだろうか?本当は自分自身のこの人生の方が夢で、この夢が現実なのでは…。
いやいや…何を現実逃避してるんだ俺は!
自分の中での現実と夢の葛藤…。
23歳で結婚もした。まるで現実の濁流に呑み込まれるかのように。だがすぐ破局。当たり前だ。愛が…愛がないのだから。相手も同じ気持ちだったのだろう。振り替えれば簡単にわかるほど、行動や言動にでていた。そんな安易な気持ちで、そんな決断をしたのは自分も相手も悪かったのだろう。後悔する過去ばかりで、後悔する選択ばかりしていた。
そんな中、いつまでも見るあの夢。
「ヤス君…ヤスアキ…」
いつまでこの夢を見るのだろう…。
~~~~~~~。
「ただいま~」
ただいま…か…
ん?ただいま?
君…俺の名前以外も喋れるんじゃん。
「あれ~?寝てるし~」
え………?
え?え?え?
チュッ…。
唇から全身に温かい感触が伝わるのと同時に、ハッと目が覚める。
チュッ…。
目の前には軽くニコッと笑う女性がいる。
「おはよ!」
あの声、あの…瞳。
夢と現実が同じ時を流れている。
そうこの人は…
あの夢の女性だった。




