14
ピリリリリッ…ピリリリリッ…
青森の旅を満喫していたところに電話の呼び出し音が鳴り響く。
『はい、もしもし』
「ヤス!!今何処にいる?!」
慌ただしい声が響いてきた。電話の相手はあの腐れ縁のケイだった。
『ただいま青森の旅を満喫してまーす(笑)』
「それどころじゃないんだよ。大事件だ。」
ん?大事件?今度は何だ…。
この仲間内はとにかく事件が日常茶飯事である。
「お前の知り合いにアミって子いるだろ!!」
アミ?あぁアミか。
アミは俺の1つ年上の女性で既婚者なのだが、夫に隠れて浮気をしていた。
「そのアミちゃんが大変な事になってるみたいだぞ!」
ケイの話によると、アミの浮気が夫にバレて離婚になり、浮気相手の元に行ったのはいいが、その浮気相手が危険な人物であり、仲間内で回されそうらしいとの情報が入ったらしい。このケイ…そっち系の関係者なだけあって情報が早い早い。さすがケイと言ったところか。
(アミ…あれほどやめとけと注意したのに……。)
とにかく放って置くわけにはいかない。
『ナオ。すまん。交通費渡すから家に帰っててくれるか?』
「了解~。美味しい物も食べれたし満足満足~」
急いでアミが住む福島へ向かった。まったく…結局いつかこうなるのはわかっていた事。福島に向かう途中にアミに連絡が取れて、そのまま浮気相手とも話ができ、言われた場所に向かう事になった。
指定された場所に行くと、男が6~7人ほどいた。見るからに柄の悪そうな連中。
『一体なにやってん……』
「こいつがね…俺と別れて夫と復縁するとか意味わかんねぇ事言うから罰をね。与えなきゃ」
そう1人の男が言ってきた。恐らくはこいつが浮気相手なのだろう。
『だからって男がよってたかって女に暴力を振るうのは違いませんか?』
(こりゃ勝ち目ねぇな…)
「てめぇが責任取ってくれんの?」
一瞬考えたがこの場からアミを離れさせる事が先決と思った俺は要求を飲む事にした。
『俺はどうなってもいいんで、とりあえずアミを解放してやってくれませんか?』
するとすんなり解放だけはしてくれた。これが唯一の救いだった。
このあと勿論俺は滅多うちのボッコボコにされたのは言うまでもなく…。
フラフラになりながら、アミと連絡を取り重い足取りで歩いていた。幸いにも打撲多数で済んだようだ。




