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「なんでこんな場所に寝てるんですか?」
『静かな場所で星を見るなんてあまりないしね。だからだよ。』
「星?」
そう言うと彼女も夜空を見上げた。
「本当だー。すごい綺麗」
『だろー。』
ほんの一瞬の静寂…俺が口を開く…。
『ところで君はなぜこんな時間に甲板へ?』
「なんか目が覚めちゃって。それで散歩してみようかなーって」
『ふーん』
「なぜこの船に乗ってるの?北海道に旅行?」
『北海道までは行かないよ。途中の港で降りる。乗船したのは旅の帰り道になんとなく。』
「帰り道?帰り海じゃん。道なんてないよ(笑)それに旅って?」
『夢探しの旅』
「夢探し?」
『まぁいいじゃん…。』
「よくない。そこまで言ったのだから教えなさい」
『うるさい(笑)だいたい君は何歳?偉そうにしてるけど』
「女性にそれを聞くなんて失礼ね。しかも偉そうって~」
それからわかった事は、彼女の名前はエミという事。北海道まで向かっている事。年齢は俺の3つ上だという事だった。
「ところで…さっさと夢の意味を教えなさい」
『嫌だね(笑)』
「なになに生意気~」
『生意気?実年齢は下でも、精神年齢は俺の方が上っぽいよ(笑)』
「なに~。部屋戻らなくていいの?家族とか心配するよ?」
『大丈夫。1人旅だから』
「えっ…1人なんだ…。」
『うん。長いながーい1人旅』
「そうなんだ…なんか興味ありあり。必ず聞き出してやる~。また明日の朝ね。」
そう言うと彼女は船の中へ戻っていった。
(俺もそろそろ寝るか…)
そう思って床についた。
何か変な1日だったけれど、ようやく次の日の朝を迎えた。




