[02.森の中で(Part1)]
一週間遅れての投稿……。
処女作なので……では理由にならないですか、はい。
鳥の鳴き声が聞こえる。
「………?」
目の辺りに眩しさを感じつつ、まぶたを開くと深緑の木々の葉が眼前に広がっていた。
「ここ、は………」
まるで起きたばかりのような気怠さを感じつつ、上半身を起こして働かない頭で辺りを見回した。
「……森………」
まだボーッとする頭で、そこをジッと見ながらふと俺は思う。
「………森?」
思わず首を傾げた。
どうやら俺は森の中にいるらしい。
「普通、街や村だろ……」
ぼやきながら、俺は自分が身につけているものを確認する。
服は動きやすくもファンタジーな衣装に変えられて、腰には無難そうな剣が備え付けられていた。
試しに抜いて見ると、なんとも量産品のような剣だった。
「にしても、髪がじゃまだなぁ」
顔に掛かる前髪を鬱陶しく思いつつも、剣を鞘に戻す。その動作は手慣れて、美しく―――どれだけ自分が廃人プレイをしていたかを物語る。
「よっと……」
立ち上がり、辺りを見回す俺。相変わらず鳥の鳴き声が、森の中でこだまする。
ふと、背後にあるもに目がいった。
「お、これって……」
背後にある巨大な樹木。ゆうに千年以上は生きていそうな木下に、ちょこんと生えるタケノコ―――もとい、石碑。
最初の『転生手続き』でも見たやつとほぼ類似するフォルム。全く意味不明な文字が表面に刻まれる六角形の人工物。
苔生した地面から生えるそれは、かなり年代のたった感じにデフォルメされていて、いい感じに風景に溶け込んでいる。文字のくぼみが緑色に染まったり、色あせた絵のような味わいがある。
正直石碑自体にはさして興味ないので、人工物から視線を外した俺は、果ての無い森を再度見回した。
「しっかし……」
面倒くさく思いながら俺は、果ての見えない森を見通し、
「チュートリアルとかないの?」
頭を掻きながら、そんなことを呟いた。
当然、応える声はない。
そのままその場所に突っ立っているのもなんなので、俺は森の中を歩いていた。
木々からこぼれる日差しから、辺りは日陰程度の薄暗さがあるが、普通の森に比べれば、見通しはかなりいい方だ。
途中、陸生クラゲ? とでも思う生物が木々についていたらり、地面を這っているのを見かける。さすがファンタジー。
………そろそろ、歩いて十五分程度になる。
「一向に果てが見えない……」
似たような景色ばかり、広がる森林。最初は物珍しさから辺りを見渡していたが、さすがに飽きが来る。
早くもクソゲーな予感を感じつつ、俺は動きにくい森を踏み締めた。
そして、それは突然訪れた。
「―――ッ」
空気を裂く風切り音を耳で捉え、俺は軽く後ろに飛び退いた。
目の前を素通りする何か。それが、近くの木へと突き刺さる。下がりながら、傍目にそれを見ると、突き刺さっているのはあまり出来のよくない矢。
「初エンカウントいきなり、奇襲ですか………」
初心者に優しくない設定に呆れつつも、敵の襲撃は止まらない。
「「ガァアアアアアアアッ!!」」
叫び声という奇声を発しながら、飛び出してくるのはちっちゃな体格をした―――緑色の原始人。
まるで盗賊のごとく獲物を振りかぶりながら、襲いかかってくる葉っぱ服の野蛮人が二人。
とりあえず、一人は剣の錆に、遅れてくるもう一人は、顔の目の前に拳をそえるだけであら不思議。
醜い顔がさらに醜く歪み、悲鳴を上げながら地面にのたうち回っているところ、首の辺りを思いっきり踏み砕くと、弱々しく手を伸ばした後に彼は動かなくなった。
登場早々、命をを散らした二人(?)に心の中で黙祷しつつ、それが落した錆び付いた短剣らしきものを拾って、軽く茂みへと投擲。
短い悲鳴が森中に響き、茂みをかき分け声の下辺りに近づくと、肩に短剣が刺さった『緑の人3』が泡を吹いてお亡くなりに。毒が塗ってあったらしい。
「ぬるいな~」
初心者には鬼畜だろうが、俺にとっては『今さら?』とでも言える手ぬるい攻撃だった。
「しかし、これまた………」
ぶくぶく白い泡を吹いている小っちゃな人―――おそらくゲームのモンスターを観察しながら、試しにその頭を剣で刺す。
硬質なものに突き刺したあと、まるで岩盤から水へと移行したようにスムーズに突き刺さる剣。
それを引き抜き、剣身に付着したものを見た。
「すっげぇリアル……」
ポタポタと剣先からこぼれ落ちる頭に詰まっているあれ(モザイク修正掛けないと………)。絶対十八禁設定だなこれ。
付着した汚物を払い、剣を鞘へと仕舞うと、取りあえずその原始人を観察。
緑色の肌。人間に似ているが、尖った耳や、口下から生える牙。ギョロリとした目つきに歪な鷲鼻を見て、どうも同じ人間さんには見えません。
あえて言うなら……、
「臭うな、こいつ」
思わず、『うっ』と思いたくなる刺激が鼻を直撃。
近くのスーパーに来る路上生活者と同じ香りがします。
あんまりにも臭うので、その亡骸は漁らず放置。ろくなもの持ってなさそうだし、臭いが移っているだろうし。臭うだろうし………。
今回の戦闘報酬は三体の命だった。とにかく、死骸は放置。いずれ、他の命を繋ぐために役立つだろうと俺は思いつつ、その場を後にした。
けして、臭いがきつかった訳ではない。
「ふぅ………」
朽ちた大木に草花生い茂る。そんな横たわる巨木に腰つきつつ、俺は思わずため息をついた。
ちらりと背後を見ると、後ろに転がる物言わぬ屍。もちろん、緑い人達だ。その数はざっと五体ほど。
あれからしばしば緑色の原住民から襲撃にあった。どうやら彼らは奇襲が大好きらしい。
全部返り討ちにしてやったけど。
そして、森の肥やしとなった彼ら。自業自得なので、何も言えない。
とりあえずこの匂いをどうにかして欲しいと、俺はささやかに願いつつ立ち上がり、また道無き道を突き進む。
そして、ふと森が開けた。ほどよい木漏れ日から一変、一瞬の強い光に目がフラッシュアウトする。
それを経て、目が強い光量になれてくると、目の前に広がるのは、壮大な青空。
一瞬その光景に目を奪われていると、ふと眼下の森(まだ広がってる……)の方に集落らしきものが。
「お―――」
声を上げようとした瞬間、目の前に現われるシステムメッセージ。
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◆襲撃されている村を救え!!
・依頼内容:村の防衛/盗賊全員の駆逐・もしくは全滅
・達成条件:住民の存命・騎士団の存命(一人でも可)/もしくは盗賊団の撃退・壊滅
・報酬:達成条件により、変動。
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いきなりの無茶振り。クソゲー決定。だけど俺はそんなノリが嫌いじゃない。
とりあえず、村とは眼下に広がる開けた部分だろう。家っぽい家屋が点々とあるし。
少し距離があるが、走って行けば一分も掛からないだろう。そうと決まると、さっそく俺は底に向けて駆け足で走り出した。
恵まれない子羊に、誤字脱字のご指摘をお願いしまーす。
できれば、こうしたほうがいいよとかいう感想でもOk。
……調子乗ってすみません。




