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地獄住宅  作者: カツオ
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第6話 亮

ぴっちり閉まってるカーテン、ガムテープで何重にも張ってある窓。

真一はそれを何回も見回してまた眠る。

「はい。今日も休みます。すいません。お願いします」

美樹が学校に電話している。美樹は真一が心配でたまらなかった。

「真一、大丈夫?」

美樹は真一の部屋に入った。そして、驚いた。

閉まってるカーテン、ガムテープが張ってある窓、何枚も張ってあるお札。なんかに取り憑かれた感じだった。

「なに、この部屋!?」

美樹が真一に聞くが、真一は青白い顔で何回も顔を横に振った。

「カーテンなんか開けっ放しにして…」

美樹がカーテンに手をかけようとした時、

「開けるな!!」

美樹は驚いて手を離した。

「頼むから出てってくれ!!」

「でも…」

「いいから出てけ!!」

真一は枕を投げた。美樹は慌てて出ていった。

「あのうちの息子が変なのですが、もしかしたら、幽霊に取り憑かれたのかもしれないかと思って、電話したのですが」

美樹は霊能力者に電話をかけていた。今から来るそうだ。

怪訝そうな顔で霊能力者が真一を眺める。

「なんだおまえ!?」

「安心しろ。私はあんたを助ける」

といって、霊能力者は手でなんかしていた。

「息子さんの体に最悪の悪霊が2体います」

美樹は驚いた。

「このままにしておくと、精神がおかしくなり、いずれ、死にます」

「えっ!」

霊能力者は分厚い本を出して、ペラペラめくった。

「今息子さんに憑いてる悪霊は、この住宅で原因不明の死に至った二人の若者です」

美樹は霊能力者が言う事に驚きが隠せなかった。

「二人の悪霊は息子さんから離れたいけど、ボスの悪霊に操られてる悪霊です」

ボス?悪霊界にボスなんているのか?なんで真一に取り憑くように操ったんだ?

美樹は霊能力者がいる間ずっとそう考えていた。

霊能力者は真一の状態を言った後、分厚い本を皮の鞄の中に閉まった。

「私はいつでもいますからなんかありましたら言ってください」

「あの、お金は?」

「いえ、私は鑑定だけではお金はいりません。では」

ドアを開けて霊能力者は帰っていった。

美樹は何回も頭を下げた。

すると、誰かの走る音が聞こえた。音を聞く限り、小さい子供が走っている感じだ。

美樹は子供の幽霊かと思って身震いしながら座った。

美樹は理解していなかった。

真一には悪霊が取り憑いていて、代わりに悪霊に取り憑かなきゃ真一は死ぬ。

代わりに取り憑かれれば、真一は助かるが、代わりの人は死ぬ。

もう死ぬ以外の宣告しかないじゃない。美樹は泣いた。この家族の誰かが死ぬ。

「マジかよ」

晩酌中の和也に美樹は真一の状態を告げた。

「何だよそれ。そんなに力が強い悪霊なのか?」

「年も関係ないんだって、子供でも年寄りでもいいんだって」

すると、子供の足音の後、ドアが開く音と閉まる音がした。

「まただ」

美樹が言った。

「あの足音か?」

「そう、霊能力者が帰ってから」

「真一に取り憑いてる悪霊かもよ」

「ふざけないで」

今日真一の家に来た霊能力者の家に一人の人が入ってきた。

「どうしたのですか。私になんか用事でも?」

 霊能力者が言うと、その人は息をぜーぜー吐きながら言った。

「久保真一に取り憑いている悪霊を取り憑きに来た」

「この悪霊に取り憑かれた後、あなたも私もすぐ死にます。それでもいいのですか?」

霊能力者が聞くと、その人はうなずいた後座った。

「始めます」

その人はうなずいた。

「(訳分からない言葉)」

訳分からない言葉を手を合わせながら霊能力者もその人もつぶやく。

やがて、部屋の周りに霊的な煙が漂って、人影が現れて来た。

「来たぞ」

ここは、どこなんだ?なんか、久しぶりに見た光だ。

真一がそう思って目を開けると、美樹と和也がいた。美樹は泣きそうな顔になってた。

「ここは?」

「家よ、真一は霊に解放されたのよ」

真一がつぶやくと、美樹はなきながら答えた。

「そうか、俺、悪霊に…よかった。あれ、亮はどこにいるの」

美樹も和也も黙ったままだ。

「亮、まさか」

和也がうなずき、亮の遺影を見せた。

「なんで、なんで亮が死んでるんだよ!?」

「真一が助かったのは亮のおかげなんだ。真一には二人の悪霊が憑いていて、このままだと死ぬからその代わりに亮が」

「…」

「でも私たちも納得はしていない。亮は多分だが、真一に戻ってもらうなら、悪霊が取り憑いてもよかったんだ」

そう、美樹が幽霊だと思っていた子供の足音も亮が走っている音だった。

亮は真一に悪霊が取り憑いている事を立ち聞きしたのだ。

「なんだよ。このマンション…お父さん、引っ越そう!!このままだと、家族全員が死んじゃう」

「ああ」

すると、どこからともなく声が。

「モウニゲラレナイ、ゼッタイニガサナイ。コノマンションカラハ、ゼッタイニ…」

久保一家は青ざめた。


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