第5話 美樹
今日、二人の葬式をやっていた。 なぜかと言うと、二人の遺体は、建ってすぐしか開けられていない倉庫に寝そべっていた。
二人の顔は、まるで地獄から帰ってきた感じだった。
葬式ではおなじみの、棺桶を開けて、花を添えることは無かった。
まるで、心霊写真を現像しないと同じことだ。
二人の消える姿を見てしまった美樹は、葬式が終わった後、地獄住宅に来ていた。
なぜ、地獄住宅に来たかというと、あいつぐ霊能力者の中に、美樹の祖母がいた。
あれからの美樹の祖母は何もいないのに毛布で何かを払ったり、
「何かが見ている」
とか言ったり、たまに何かに取り憑かれたように変な言葉を言っている。
絶対美樹の祖母の死や親友の死は全て地獄住宅に関係しているとまとめていた。
そして、美樹は地獄住宅に入った。
管理人を素通りして、美樹はエレベーターに乗った。
美樹は、中元と克也がエレベーターに乗った時、走って登っていた。
美樹は陸上部だから速かった。
そして、エレベーターより早く着いた美樹は4階で暇してた時、女が待っていた。
そして、エレベーターが着いた時、女はめり込んで入った。
美樹は目が点になっていた。
克也と中元は悲鳴をあげて暴れていた。
そして、緊急避難口から無数の手が出て、克也と中元が消えていた。
前の時と同じように階段で登った。
5分ぐらいで8階についた。
美樹は廊下を歩いていたら、一つだけ少しだけ開いている部屋がある。
美樹はこっそりこっそり部屋に近づき、ドアノブに手をかけたら、美樹の手に血だらけの手が掴んだ。
「きゃあああああああああああ!!!」
美樹が急いでエレベーターに行くと、エレベーターを待っている女がいる。
美樹が見覚えがある女だ。
そう。あの女だ。美樹に焦りが襲った時、女の首が180度回って口から血を垂らしている。
「オマエ、ハイッタ。ハイッタモノ、ズタボロニシテヤル。シネ」
「きゃあああああああああああ!!!」
美樹が走って階段を降りようとしたら、階段を降りた先に血だらけの女が上がっていく。
「きゃあああああああああああ!!!」
エレベーターに向かおうとしたら、階段にいたあの女がいた。
また階段を降りようとしたら、また女がいる。
「なんで、なんで、きゃああああああああああああああ!」
階段を上がっていく女。美樹の方へ向かう女。そう、挟まれたのだ。
「きゃあああああああああああ!」
ついに挟まれた。
二人の血だらけの女は、口が裂けてニマッと笑っている。
美樹はもう諦めて膝をついた。二人の女は迫っていく。
美樹は消えた。「アイツノマゴカ。チョットダガ、レイシノノウリョクガアッタナ。ソシタラ、アノナゾガワカッタラコマルカラナ。シンデヨカッタ。ハハハハハハハハ」
真一は窓を閉めて、ガムテープを何重にも貼っていた。
真一は顔が青白くなっていた。