第3話 克也 中元
久保一家がこのマンションに住んでから1ヶ月が経った。
次第に近所の人々とも慣れてきた。
特に仲良くなってきたのは、隣の大川さん一家だ。一人息子の克也は後輩だ。
真一が朝出てくると、克也が待っていた。
「先輩!行きましょう」
克也はこういって近づいてくる。
克也は真一と、克也のあこがれの中元と仲がいいという噂を聞いて、もしかしたらデートできると思って近づいてるらしい。
二人は歩きながら言った。
「先輩、中元先輩とのデートは?」
「ああ、そうか。今日言うよ」
「お願いします」
「えっ、デート?」
中元はいきなり真一からデートと言われて驚いている。
「おう、近所の後輩がおまえに恋しているんだ。頼む、付き合う気なくてもいいから」
「う〜ん」
「頼む、後輩の信用を失いたくないんだ」
「分かった」
「すまーん」
「えっ、デートいいんですか」
克也は驚いている。すると、真一はうなずいた。
「ああ、あのマンションの近くのテーマパーク。中元、あそこ行きたかったんだって」
「うっしゃぁあああ!」
週末、克也は勝負服を来て緊張しながら入り口付近で待っている。
待ち合わせの時間より3時間早く来ている。
克也は胸を押さえながら深呼吸している。
すると、中元が走って来た。走って来るのを見ると、もっと緊張が増す。
中元が来ると、中元は口を押さえてかっこいいと言っている。
「お願いします」
「よろしくね」
そして、二人はいろんな乗り物に乗った。
ジェットコースター、メリーゴーランド、バイキング、室内コースター、シューティング、他。
最後は観覧車に乗って帰った。
その後、いきなり中元は言った。
「そういえば、ここの近くだよね」
「えっ」
「行きたいなぁ」
「えっ別にいいっすよ」
「やった」
そして、地獄住宅にやってきた。
「大きいぃ!」
克也が照れる中、二人はエレベーターに乗った。
8階を押して、エレベーターは上がっていった。
克也はすごく緊張した。
なんで家に上がるんだろ。もしかしたら…と思うと、すごく興奮する。
克也がドキドキしてる中、グギギギという音を立てて止まった。
「えっ、故障?」
中元が慌てている。
監視カメラには、二人の他に黒い影が映っている。
「でも、先輩。ここ4階です…」
すると、血だらけの女がエレベーターの窓にひっついている。
「きゃあああ!」
「うわあああ!」
すると、エレベーターの緊急非常口(天井にあるあれ)から無数の手が出ていて、中元と克也を捕まえようとしている。
女が窓の中に入って、克也の顔を掴んでじっと見た。
「うわあああああ!」
克也が消えた。
「ちょっと、克也君、どこ言ったの!」
すると手が中元を掴んで緊急非常口のほうへと入れていく。
「やめてぇえええ!」
中元は引き込まれた。
「マタ、二人モ捕マエタ。私ノ恐ロシサ。マダマダツヅク。ハハハハハハハハ」
女は消えた。ただいま、被害者二人目。