第4話「パレード」
俺は今、援軍に来た魔法使いたちと共に東京で軽い凱旋パレードっぽいことを行っている。
実際のところ援軍の魔法使いたちは活躍することはなかったのだが・・・・。
人々の前で天皇様よろしく手を振っているのである。
普段なら絶対に参加しないのだが、今回はある事情により参加せざるを得なかった。
「めんどくさいな~・・・」
早く家に帰って寝たいのにな~。
1人ぼやく声は周囲の歓声によってかき消されてしまった。
それは、今より30分ほど前。
『・・・おーい、聞こえる~?』
『涼ちゃ~ん。』
援軍に来ていた艦隊の上を旋回して、
さて、帰るかな・・・。
と思ったときに
よく聞きなれた声が頭の中に直接響いてきた。
「ちゃん付けはやめてください、美鈴さん」
言うべきことはしっかりと言っておく。
こういうのは繰り返しが大切だ。
だけど・・・・。
さっき携帯で連絡してきたのに、なぜに今は念話何だろう?
今も携帯を使えばいいのに・・・。
実際は念話のほうが便利だけどな。
「・・・あぁそっか!」
そこまで考えて気付いた。
変身前に身に着けていたものは洋服から携帯から全て分解されるんだった。
つまり簡単に言うと某月の戦士(2回目の登場)のように一度全裸になってからこの装備になるから、変身前のものは無くなるということだ。
そこ!
変な想像しないように!!
ちなみにそれらがどこに消えるかは謎だ。
いまいちその辺りが分からない。
自分の能力なのに・・・・。
まっ、変身を解けば戻ってくるから結果オーライということで!!
だから今は携帯がないので念話ね、なるほど。
『・・・・~い、き・・る~・・・』
ん?
『・・・聞こえるか~?』
やべっ!
美鈴さん無視して考え込んじゃったよ。
「いや、聞いてましたよ」
『ウソでしょ。』
はい、看破されました。
「聞いてなかったです、すみません。・・・で何の用ですか?」
都合の悪いことは忘れて本題に入りましょう。
俺も話したいことがあったし、ちょうどよかった。
『ん~。連絡事項と結果報告の確認だよ。まず連絡事項だけど、局長が今日も下痢でね、10日連続でさ~そろそろ死んでほしいのが一点。シンガポールの援軍に行ってた神楽ちゃんが1時間前に、戻ってくるって連絡があったのが一点。日本海でたった今戦い終わった駿介くんが、空間移動系の魔物を逃がしたらしいから一応に気をつけといてってのが一点。最後に涼ちゃんようにお洋服用意したからぜひ着てほしいってのが一点。こんなものか~。涼ちゃんの結果はどうだった?』
なんか基本的に全部どうでもいいような情報だ。
しかも、つっこみどころ満載でどうしてやろうか、と考えて・・・。
はぁぁ~ぁぁ。
とため息をついてスルーすることにした。
「こっちはおよそ300いた魔物を殲滅しました。被害は無し。けど1つ気になることがあるんです。」
俺は美鈴さんの話など何もなかったかのように事務的に淡々と話す。
「魔族が一人もいませんでした。とくに先導している強力な魔物がいたわけでもないのに妙だったんですよね。まぁ戦いが楽だったからよかったんですが。」
そう、俺が戦った群れの中に魔族がいなかったのだ。
基本的に魔物は動物と同じようなものなので自由に気ままに動き回る。
だが魔族は彼らを自らの魔力で持って多少意のままに操れるらしいのだ。
だから魔族の強さにものよるのだが、大抵300もの魔物の群れであったら4~6人は魔族がいるはずなのだ。
でなければ魔物は勝手に動き回ってしまい、人間界を意思を持って侵略など到底できない。
たまに意思を持つ強い魔物も生まれるけどな。
意思を持つ魔物はごく稀、魔物は魔法なんかは使わない(使い方が分からないためほとんどは身体強化などに使われる)けど、意思のある魔物は魔法を使いこなすので下手な魔族よりよっぽどたちが悪かったりする。
同じ魔物ということで統率力が高いからな。
まぁ俺には全く関係ないけどね。
多少強いくらいなら油断しない限り負けることはまずない。
つまり、魔族もいなければ、意思ある魔物もいなかったのが気になったというわけだ。
美鈴さんは美鈴さんで先ほど『ちょっと待って』と言ったきり、なんの反応もない。
どうしたのかな~、聞いてみよっ!
待つって苦手なんだよね、俺。
「みれ・・・・」
『オッケー!決まったよ、涼ちゃんとりあえず東京の本社に来て』
先手を取られた・・・、っていうかなんだって?
「いやです!」
断固拒否しようなんかめんどくさそうだ。
『拒否は認めません、命令です』
「実は用事が・・・」
『ウソはだめです、来なさい!』
美鈴さんの強引さは昔から知っていた。
だからこんなときの対処は・・・。
「わかりました」
言うことを聞くしかないのである。
情けないとか言うな!
『初めから素直に従っておけばいいのさね~。そうだ!ついでにパレードにも出なさい!あなたが出ればみんな喜ぶから一石二鳥よ!』
「えっ!?・・・・・はい」
俺には拒否権なんてないんだな~。
そんなふうにしみじみ思っていると・・・・。
『何着てもらおうかな~♪』
そんな声が聞こえてきた。
なんか上機嫌に鼻歌まで聞こえてきた。
っっ!!?まさか!!
「洋服は着ませんからね!!」
『え~~~~~~~』
そこだけは断固拒否しておこう。
NOといえる人間になるのは大事だよ・・・・、うん。
そして、今は道路の真ん中を歩きながら手を振っている。
なんかすごいうるさい。
キャーやら、ワーやら、キャーやら、ワーやら、キャーやら、ワーやら。
なんかいろいろ言っているのが聞こえる。
「きゃ~、本物よ~!!」
「綺麗な髪~、天使みた~い!」
「こっち見たわ!私を見てくれたわ~!!!」
「俺の彼女になってくれ~!」
「なんか魔法見せて~!」
「サインくださ~い!サイ~ン!」
「俺の嫁~~!!」
「こっち見て!こっちよ~」
など雑音と化しているが耳をすませると色々と聞こえる。
何人か変態な奴がいたが無視だ!無視!
「めんどくさいな~」
そう言ってげんなりしているが営業スマイルは忘れない。
一応国のヒーローっていうか、アイドルみたいになっているらしい。
普段こういう場に顔を見せないから神聖化されているっぽかった。
見た目が確かに神秘的だしな。
そんなことを考えていると・・・・。
トスッ
首に何かが刺さった。
続きの話今書いているのですぐ出ます
たぶん・・・