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第61話 テニスの大会3

 始めはあちらのサーブだ。


 流石に決勝まで来るだけあって速いサーブだが難無くリターンを返せた。


 サービスエースを決めれると思って油断してたのか、続く返球は緩い玉が返ってきたので全力のスマッシュを男の股間に直撃させる。


 ドスンッ!


 テニスのボールが当たった音とは思えない程、重く低い音が辺りに響く。


「のぉおぉぉぉおおお!!」


 男が股間を抑えてのたうち回る。


 ちっ、悲鳴が出る余裕があるってことは少しずれたか。


 女は心配そうに男の背中を撫でている。


「いいぞお嬢さん達!やっちまえーっ!」「その調子です!潰してやってください!」「ぶっ殺せ!」「殺せ!」「こーろーせっ!こーろーせっ!」


 観客が湧き上がる。


 恐らく他の人もこいつらの事をよく思っていないのだろう。


 てかここ治安悪すぎじゃね、8割の応援は物騒な事を言っているんだが、、、


 次は俺のサーブだ。


 男が青い顔をしながらなんとかポジションにつく。


 レシーブは男のようなので丁度いい。


 剛速球のサーブをもう一度男の股間をめがけて打ち抜く。


 ドスンッ!


 男は反応出来ずにそのまま股間で剛速球サーブを受け止める。


「っ!?!?」


 声にならない悲鳴を上げて男がまたのたうち回る。


 クリティカルヒット!


「いよっしゃあああ!!!!」「うおおおおお!潰せー!!!!」


 観客がより一層に沸き上がる。


「あんた!なんのつもりよ!」


「ごめんなさーい、レベルが低いのでボールコントロールが下手なんですぅ」


 メスガキを意識して口を手に当てて女を煽る。


「な、ななななっ」


 女は顔を赤くして怒っているようだが言い返せないようだ。


「でもそんなレベルの低い私達に早々に30−ラブなんて大丈夫ですかぁ?もしかしてお姉さん達って声が大きいだけのザコだったりー?ウケるんですけどー!ざーこ♡ざーこ♡」


 段々楽しくなってきた。


 愛ちゃんも乗ってくれてお尻ペンペンしている。


「くっ、偶然が重なっただけで調子に乗るんじゃないわよ!ほらタカシさんもいつまでも大げさに痛がって無いで早く立ちなさい!」


 女が悶絶していて倒れている男の尻を蹴り上げる。


 それ別に大げさじゃないんだよなぁ、、、


 男が涙目でふらふらしながら立ち上がりポジションに付く。


 今度は相手の女のサーブだ。


 愛ちゃんが難無く受けて、女が打ち返してきたので、全力ボレーでカットインして男の股間に再度直撃させる。


 ドスンッ!


「!?!?!?!?」


 男が倒れて口から泡を吹く。


 女はそれを見て固まっている。


「い、いいぞー!」「そそその調子だー」「こ、ころせー」


 観客がまた沸き上がる?


 2人が復活するまで時間がかかりそうなので愛ちゃんに向き直ってハイタッチをする。


「リーアちゃんやる事がえげつないね」


「偶々だよー?偶々タマに玉が当たってるだけだよ?」


「リーアちゃん寒いよ」


「それより生配信できてる?」


「うん、葵ちゃんに観客席から撮影頼んでるから大丈夫」


 スマホで愛ちゃんのチャンネルを見てみる。


 調子に乗ってる意識高い系の勘違い野郎を成敗してみたという配信のタイトルだった。


 概要欄を見てみると先程のやり取りのリンクも貼られているようだった。


 葵がやってくれたのだろう仕事が早すぎる。


 コメント欄を見てみる。


 ・金髪の子テニスうまっ

 ・え、あれって狙ってるの?

 ・あいつらざっこww

 ・えげつなさすぎw

 ・ざまぁwww

 ・アイちゃんとお友達変装しててもわかる!絶対可愛い!

 ・メスガキ!わからせたい!


 盛り上がっているようで宜しい。


「ちょっと審判!あれは反則じゃないの!」


 女が審判に詰め寄る。


「いえ、普通にルールの範囲内ですね」


 にべもなく審判は言い返す。


「ザコ女さんテニスのルールも知らないんですね、かわいそー」


 愛ちゃんが煽る。


「いるんだよねー、大学生になって頭が良くなったと勘違いしちゃってる可哀想な人って、ルールも知らずにテニスやらされちゃって、かわいそー」


 女はどう見ても経験者の動きだけどそう言って煽る。


「なななななな!わたkふぃkrけkfn!?」


 女は顔を真っ赤にして地団駄を踏みながら怒っているようだが、何を言ってるか分からない。


「きっとあれだよ大学のテニスサークルなんて、ヤリモクの集まりだからテニスしたことないんじゃない?いつもスパンスパンスパンスパンとなんの音を響かせてるんですかねぇー?」


 前世の俺がそうだったから知ってる、因みに前世の俺は皆がテニスコートでスパンスパンと音を響かせているなか後輩ちゃんや先輩ちゃんと部室でパンパンと音を響かせていた。


「rていdkjtjつrk!?」


 更に女が顔を真っ赤にして喚き散らす。


「り、リーアちゃん流石にそれは偏見が過ぎるんじゃないかな・・・?」


「きっとあいつらも今日この後帰ったらゴム無し乱交パーティーだよ、セクロスフロンティアだよ、負けたお仕置きで謎の液体で上からも下からもお腹いっぱいにされちゃんだよ、かわいそー」


「セク?フロンティア?謎の液体?なにそれ?まあそれよりリーアちゃんって結構性格悪いよね」


 愛ちゃん少し引き気味にボソっと言ってくるが、そんなの知ってる。


 やっと男が復活したようで試合が再開された。


 男は内股で顔が涙でぐちゃぐちゃだった。


 男は前衛なのに完全にこちらに背を向けて立っている。


 愛ちゃんがサーブして女がリターンをしてくる。


 流石に今回は無理かな、ダメ元でリターンで戻ってきた玉を全力で女のラケット目掛けて打ち返す。


 女のラケットで跳ね返ったボールが男の股間に直撃する。


 なにかが弾けるような音を出してから男がゆっくりと倒れた。


 倒れてピクリとも動かない。


「おおぅ、、」「お、俺までなんか痛くなってきたんだが、、、」


 おかしいな、観客から歓声が上がらない。


 女が唖然として倒れている男を見ている。


「味方からも狙われるなんてかわいそー」


 ここぞとばかりに煽ってやる。


「・・・」


 女は何も言えないようだ。


「審判さん続けて良いですか?」


「は、はい」


「早く位置についてくれませんかね?時間稼ぎですか?」


 女に文句言ってやる。


 女が無言で倒れている男を引きずって場所を移動させる。


 一応気を使ってか股間を逆方向に向けているが、仰向けの時点でもう射程範囲だ。


 サーブを打ってきたので、愛ちゃんに指示して強めに打ち返してもらい、更に女がふわりと打ち返してきたので、角度をつける為の打ち下ろしのジャンピングボレーを倒れている男の股間に叩き込む。


 ドスッといい音が鳴るが男は気絶しているのか、一瞬その衝撃でくの字に体が起き上がるが、その後ゆっくりと倒れて激しく痙攣する。


「も、もうやめたげて、、、」「かわいそう、、、」「ひ、人殺し、、、」「クラッシャーだ、、、」「玉狩りだ、玉狩リーアだ、、、」


 観客がドン引きしている。


「次は2セット目ですよね?早くそのゴミを引きずってポジションに移動させてください」


 呆けてる女に向けて言う。


「け、KOです!し、試合終了です!愛リーアチームの優勝になります!」


 見かねた審判が腕を交差させながら俺等の勝利を宣言する。


 俺等のKO勝ちらしい、テニスでKO勝ちしたのは初めてだ。


 愛ちゃんと勝利のハイタッチをする。


 観客から控えめなリーアコールが響く中、葵を呼んでから、倒れている男を見捨ててこの場を去ろうとしている女に近付く。


「すいません、そのゴミをちゃんと持ち帰ってください、それと今の心境をお聞かせ願いますか?」


 葵が女にカメラを向ける。


「え、え?あぁ、この人の事、、忘れていたわ、、、それと、、、心境?」


 女はまさに心ここにあらずといった感じだ。


「雑魚って馬鹿にした高校生にKO負けした心境ですよ、アイチャンネルは登録者10万人いるので皆さんに心境を伝えてください、今ちなみに同時接続数1万人です。顔が売れて良かったですね?」


 一瞬顔が歪むが俺がスマホで生配信中の放送を見せると顔を青くする。


「え、そんなに見てるの!?ご、ごめんなさい」


 俺に頭を深々と下げてくる女。


「私は良いからポメラニアンを馬鹿にした事を謝れやゴラァ!!」


 声にドスを聞かせる。


「ひっ!?ポメ?何ですか?」


「早くしーや!ぶっ殺すぞ!!」


「ひぃぃ!ポメラニアンさんごめんなさい?」


「語尾がポメになってない!!」


「そ、そんなこと一言も、、、ごめんなさいポメ」


「ごめんなさいポメって何だよ!!馬鹿にしてんのかゴラァ!!」


「理不尽すぎる、、、、」


「・・・まあ良いでしょう、デジタルタトゥーが出来て良かったですね?」


 女がふらふらと男を引き摺りながら去っていく。


「どちらかというとデジタルタトゥーが出来たのはリーアちゃんだけどね?リーアちゃんってあの二人に親でも殺されたの?」


 そう言ってスマホでコメント欄を見せてくる愛ちゃん。


 ・リーアちゃん怖いし性格悪いw

 ・きっとリーアちゃんって子はあの二人が親の仇なんだよ

 ・金玉クラッシャーリーア爆誕ですね

 ・玉狩りーあ!

 ・誰かクラッシャーの切り抜き宜しく

 ・あの男もう使い物にならないんじゃない?

 ・キレたリーアちゃんこええ、、、何にキレてるかわからなかったけど

 ・理不尽にもほどがあるw

 ・あの、普通のテニスサークルもあります、、、

 ・何されたか知らないけどやりすぎです、、、


 そういや何されたんだっけ、、、、、、、、、まあいいか。


「なに?文句あるならテニスで受けて立つけど?」


 コメント欄に喧嘩を売る。


 ・ごめんなさいなんでもないです

 ・すいませんありません

 ・まだ息子には元気で居てもらいたいんです

 ・普通のテニスサークルなんてありません、皆ボールじゃなくて腰を打ち付けてます


「よろしい」


 その後は表彰式があり、無事サンバイザーとラケットを受け取った。


 サンバイザーを頭にかぶって帰り支度をする。


 モフモフしてひさしの部分が犬のくちばしになっている、ちょっと暑いけど問題ない。


 サンバイザーの効果があるかわからないどころか、これはサンバイザーと呼べるのか疑問に思ったけど可愛いので気にいった。


「理沙さんサンバイザー可愛いですね」


 ふんふん♪と鼻歌を歌いながら荷物をまとめていると佐夜子が褒めてくれる。


「ね!良いでしょう!」


 サンバイザーのつばの部分の先端を佐夜子の鼻にむにっと当てる。


「ふふ、理沙さんは可愛いですね、私もあの人にもらったぬいぐるみはポメラニアンでした、お揃いですね」


 そう言って佐夜子が頭を撫でてくる。


 そういえば昔あげたぬいぐるみを未だに大切に使っていたな、今度匿名でまたポメぬいぐるみでも買って届けてあげようかな。


 帰り支度が終わったのでちょっと席を外しますと言ってその場を離れる。


 表彰式の時に恵達がまだいるのを確認していたので恵達のもとに向かう。


 すると恵達がナンパ男達絡まれていた。


「ね、良いじゃんこの後ご飯行こうよ、奢るからさ」


「結構です、興味無いので私達に構わないでください」


「そんな事言わずにね?何もしないからさ」


 あのクソ虫共が、俺の恵と先生に話し掛けんな。


「ファッキュ!キルユー!ザマァファッカー!!」


「おう!?なんだいきなりこの外人の女は、変なもんかぶりやがって」


「サンバビッチ!プッチー!ゴートゥーヘル!ガルルルッ!!コロス!絶対お前らをコロス!!」


「な、なにを言ってるんだこの女、、、って、こいつクラッシャーだ!やべーよ!後半普通に日本語だし!お前ら早く股間隠せ!」


「お、おう、俺まだ息子は失いたくねーよ!もう行こうぜ・・・」


 ナンパ男達が股間を隠しながら去っていく。


「ゲッダン!ヘルゾーン!!アイルビーバーック!アイムビーバー!アイムジャグラ!」


 ナンパ男達を追いかけながら背中に向かって罵倒を続ける。


「ひぃー!こっちくんなっ!」


 ナンパ男達が駆け足で逃げるので、こちらも足を速めて追いかけようとすると後ろから肩を掴まれる。


「理沙ありがとね」


「理沙さんありがとうございます」


 恵と先生がニコニコしながら俺の肩を掴んでいる。


「リシャー?ワットイズイディス?」


「理沙さんもう少し英語喋れるようにしましょうね?英語の成績は良いのになんでこんなに英語が滅茶苦茶なんでしょうか?」


 なんでこの二人は俺だと確信しているんだ?


「アイム、ビジー、レットミーゴー、、、」


「理沙さんいい加減にしないと先生にも考えがありますよ?正直になるまでその嘘しか言わない無意味な口を口で塞ぎますよ?」


「・・・いつから気づいていたんですか?」


 無駄なようなので白状する。


「遠目で一目見た時からほぼ確信しましたよ」


「なんでわかるのです?」


「理沙さんの身長と仕草で一目見てわかりますよ、髪と目の色と声は当てにならない事がわかってますしね?それに決勝戦ではもう隠す気もなさそうでしたし」


「むー、あいつらに制裁するのが楽しくて忘れてた、、、」


「それより理沙さんはなんでこの大会に出ているんです?」


「中学の時の友達に誘われていたんですよ、それとこのポメラニアンのサンバイザーが欲しかったんです」


 頭に被っているサンバイザーを指差しながら言った。


「確かに可愛いいけど、納得いかない!」


 賞品のラケットを恵に押し付ける。


「ラケットは目的じゃないので恵にあげる」


「え、良いの?」


 恵がきょとんとする。


「もともとその予定だったから」


「じゃあ何で変装して他人の振りしてたの?」


「優勝出来なかった時恥ずかしいじゃん」


「理沙らしいね、でもそれならそうと初めから話して欲しかったな」


 恵の頬がぷくっと膨らんでいる。


「タイミングを逃しちゃったんだよ」


 恵の膨らんだ頬に指を突き挿してぷしゅっと空気を抜く。


「何すんのよっ!それと性奴隷ってどういうことよ、理沙はあの子とどんな関係なの?」


「ああ、あれは愛ちゃんが勝手言っている事だから、前に話した事があると思うけど中学の時の友達だよ、いつもパンツくれた子」


「あぁ、理沙の同類の子か」


 父娘だしね。


「理沙さんはやっぱり部活の時は手を抜いていたんですね、あんなにテニスが上手だなんて、プロでも通用すると思いますよ?」


「手を抜いていたというより全力を出す場面が無かっただけなんですけどね、それとプロにはなる気はありませんよ」


「残念です、まあ理沙さんなら何でも出来ますしテニスにこだわる必要は無いですね」


「何でもは出来ません、私が出来るのは先生のその胸を揉みほぐすことくらいです」


「だ、駄目ですよ?こんな所で、でも人目の無いところなら、、、」


「そこ、イチャイチャしない!理沙一緒に来た人達は良いの?」


「そういえば待たせてるんだった!じゃあまたね!」


「あ、まって理沙!」


 この場を去ろうとすると恵に呼び止められる。


「ん?どうしたの恵?」


「ぱんつおいてけ」


 妖怪パンツおいてけにパンツを剥ぎ取られた。


 血縁グループの元に戻ると、スースーして気持ち悪いので愛ちゃんのパンツを剥ぎ取ってはいて夕飯を食べてその日は解散した。


 サンバイザーをつけながら帰宅したら、玄関で待っていた妹に抱きしめられて頭を撫でられた。


「お姉ちゃん可愛い!」


 なんか立場逆転してる!納得いかない!


「む、でもこの匂いはなに!?お姉ちゃん!誰のパンツ履いているの!?」


 なぜわかった!?

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作者どうした? 命にも関わるし玉潰してるけど子孫も残せなくなるよね? ちょっと感じが悪かっただけの相手にそこまですんの? はなから抵抗も出来ない相手に一方的な攻撃をして、気絶した完全無抵抗な所にも追い…
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