表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/73

第41話 琴美イベントアフター

 目を覚ますと俺の腕に点滴が繋がっており、その手に琴音先生の手も繋がっていた。


 周りには母と妹、冴先生、恵、聡美、百合、玲香が勢ぞろいしていた。


 母は俺が目を覚まして安心した様に崩れ落ちた。


 妹は何故か琴音先生と冴先生に威嚇している。


 恵と玲香は泣きながらこちらを見ている。


 聡美と百合は抱き合っていた。


 聡美が若干興奮している様に見えるが、俺の目が覚めて喜んで居ると思いたい。


 内密の話しをすると言って、冴先生が当事者の琴音先生以外を一旦部屋の外に出てもらっていた。


 冴先生が目に涙を浮かべながらこちらに話し掛けてくる。


「理沙!心配したぞ、良く無事に目を覚ましてくた。そして琴音先生を守ってくれてありがとう、私は琴音先生に相談されてたが何も出来なかった、不甲斐なくて情けない」


 冴先生が頭を下げてくる。


「いえ、私が出来る事をしただけですのでそんなに畏まらないでください」


「いや、理沙がこんな重傷を負ってしまったのは私のせいだ、私に出来る事があれば何でも言ってくれ!」


「じゃあ冴先生のおっぱい揉んでもいいですか?」


冴先生に向かって空いている手を伸ばす。


「・・・、こんなこと誰にも出来ることじゃない、ナイフから琴音先生を庇って刺されたにも拘らず、何も出来なかった琴音先生の代わりに、血だらけでナイフを持ったストーカーと戦っていたな?」


ガン無視されて伸ばした手を叩き落とされた。


「・・・見ていたようにいいますね?琴音先生から聞いたんですか?」


琴音先生がその手を拾って両手を拘束される。


「いや琴音先生はあれからずっと泣いてしまって何を言っているか全くわからんかった、警察も事情聴取は後日と言って匙を投げてたぞ」


 だからさっきから一言も話さず、ただ俺を見詰めながら強めに手をにぎにぎしてるだけなのだろう、絶対に離さないと言う気概を感じる。


「そ、そうですかそれではどうして?」


「あのストーカーが一部始終を撮影しようとしてたらしくてな、男のスマホが録画中になっていたらしいぞ」


 襲っている動画でも記録しようとしたのか悪趣味だな。


「では全て状況が伝わったのですね」


「まあそうだな、警察が早々に事情聴取に匙を投げたのもそれが影響しているだろう」


「まあ説明する手間が省けて良かったですね?琴音先生」


 コクコクと琴音先生が頷く。


「あ、そうだ、琴音先生彼氏じゃないってどういう事ですか?あの日彼氏とデートしてたんじゃなかったんですか?」


「djふぃgmjfぇんfjふぁm!?」


 琴音先生が何か喋って居るが、何も理解出来ない、もうこの人はショックで日本語を忘れてしまったのだろう。


「・・・琴音先生はなんと?」


「私がわかるわけ無いだろう!まあ日曜日は私と一日買い物したり映画見たりしていたぞ、まあメインは理沙にあげる為の下着を2人で選ぶ事だったんだがな、理沙がどんな下着なら喜んでくれるか気合い入れて考えてたぞ」


 琴音先生が真っ赤になった。


 俺の事をそんなに考えてくれてたのが嬉しい。


「それにしても良く先生が危ないと気づいたな?そこは警察も気にしてたし後で聞かれると思うぞ」


 これについては言い訳は考えていた。


「事の始まりは他の女性教員が土曜日に琴音先生を合コンに誘う時に、丁度居合わせた事からでした」


 琴音先生と手が繋がってない方の手で、琴音先生の頭に手を近づける。


「日曜日に琴音先生に電話したら楽しそうに今日は誰かと出掛けると答えていたので、土曜日の合コンが成功して、次の日に彼氏になった人とデートなのかな?と思ったんです」


 まあそういうシナリオだしね。


 しかしそれっぽい言い訳に使えて、後先考えず電話して良かったと思う。


 そのまま琴音先生の頭を撫でると素直に撫でさせてくれる。


「それでその後に色々考えていて、あのストーカーが動くとしたら、彼氏が居るとわかった瞬間だろうと考えて、居ても立っても居られなくなり、先生の家周辺に行ったら運よく防犯ブザーが鳴ったので見つけることが出来ました」


 琴音先生が気持ちよさそうに目を細めている。


「rcdftvぎゅhんじmk!?」


 琴音先生が急遽細めていた目をガっと開いて、何か必死に言っているが何一つとしてわからん。


「そうか、色々勘違いもあるようだが、偶々噛み合って良かったよ」


 琴音先生の頭から手を下に移動させて琴音先生の唇を指でつつく。


「え、勘違い?」


 なんだろう?


「あのストーカーが言うには、同じ学校の女性教員がウチの学校の若い教員の琴音先生を誘って、土曜日に合コンを予定していたのを聞いてしまったらしい」


 つついていた指を琴音先生がカプっと咥えて頭を上下させ始める。


「その後にいつものようにストーキングしていると、土曜日は琴音先生が機嫌良さげに夜遅くに帰ってくるのを見つけてしまい、合コンに成功したのだろうと考えた」


 冴先生がその様子を見てすぐさま俺の手を引き琴音先生を引き剥がす。


「そして日曜日の夜に琴音先生をずっとあの場所で待ち伏せをしてた所、運悪く偶々隣を歩いていた見知らぬ男性を合コンで出来た男かと勘違いして、さらに運が悪い事に偶々琴音先生と肩がぶつかり謝罪ついでに会話をした所を見られてしまいまた勘違いを加速させて凶行に至ったそうだ」


 俺の指が口の中から奪い取られて琴音先生が名残惜しそうにドロドロになった俺の指を見つめる。


「おlkjhgftyふrぎう!?」


 咥えるものが無くなったせいか、琴音先生が騒ぎ始める。


 落ち着かせよう。


 繋いでいる手を抜いて琴音先生を抱きしめる。


『なんにせよ琴音先生が無事で良かったです、落ち着いて話してください』


 背中をぽんぽんしながら先生が落ち着くまで待つ。


 やがて落ち着いたようで体を離して話し出す。


「り、理沙さん!まず初めに私は合コンは断りました!」


「えっ、そうなんですか?それはまたどうして?」


 いきなりシナリオがずれてしまっている。


「それは理沙さんのせいなんです!私が合コンに誘われた時、凄く悲しい顔するからずっとそれが頭に残ってしまったんで、結局断ったんですよ!」


 顔に出てしまったのがバレていたらしい。


「え、それじゃ土曜日はどこに?」


「スロットのお店ですよ、高設定掴んでしまって、閉店までぶっ通しで打ってたんです・・・」


「先生も謎の機械を打つんですね、それはともかく日曜日電話した時も凄く楽しそうでしたよね?」


「「も」って所が気になりますがそれはいいとして、単純に前日勝ったし、冴先生とお出かけが楽しみだったし、理沙さんから電話が来たときに誘おうかと一瞬思ったんですが、理沙さんにあげる下着を理沙さんが居る場で選ぶのはなにか違うと思ったんです」


 琴音先生の顔が近付いてくる。


「そうなんですね、下着楽しみにしてます」


「もう!下着ならいくらでもあげるんで、理沙さん無茶は止めてくださいよ」


 そういうや否や琴音先生が俺の首に手を回してきてさらに顔を近づけて来て唇を重ねてきた。


 っ!?


 更に惚けている俺の口の中に舌をねじ込んでくる。


「っ!?!?」


 琴音先生が、混乱している俺の舌を絡めてかき回してくる。


 いい匂いがして頭がぼーっとしてくる。


「やめんか琴音先生!」


 冴先生が止めてくれた。


 唇を離すと架け橋が出来ていた。


「えー!冴先生がキスくらいならしても良いって言ったじゃないですか!」


 琴音先生が冴先生に抗議する。


「馬鹿者!唇を重ねるだけのキスくらいなら、今回の事もあるし見逃そうと思ったが、流石にそれは見逃せんわ!先生が生徒にしていい事ではないわ」


「舌絡められた・・・」


 俺が両手で口を覆う。


「琴音先生、理沙に本気にならないほうが身のためだぞ、知っていると思うがこいつは顔と胸が大きければいい只のおっぱい娘だ」


「そ、それはわかってます・・・、キスしたのはお礼のつもりですよ、理沙さんは普段から私にセクハラしてたし、私の事好みのタイプっていってたからお礼になるかと思ったんです」


「とても素晴らしいお礼でした、ご馳走様でした!」


「じゃあ理沙さんもう一度しましょう!」


 琴音先生が嬉しそうに近づいて来る。


「理沙は黙ってなさい!琴音先生も乗るんじゃない!!」


 冴先生が琴音先生を羽交い絞めする、酷い。


 そうこうしているうちに扉がノックされる。


 外で待っている人達が痺れを切らしたようだ。


「もう大丈夫ですよ」


 冴先生が皆を呼ぶ。


 皆がゾロゾロと入ってきて一声かけてくる。


「理沙あんまり親に心配かけないで」


「お姉ちゃん!その二人がいつもお姉ちゃんに匂いをこれでもかと擦り付けている雌猫ね!」


「理沙あんまり厄介ごとに首を突っ込まないでね」


「次の女の子は琴音先生だったんだね、早く執筆しなくちゃ」


「琴音先生、理沙は釣った魚に餌をくれないので気を付けてください」


「やっぱり理沙は先生を毒牙に掛けたんだね・・・」


 なんか大半が既に心配をしてないようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ