第21話 聡美イベント2
次の日の放課後、部活は休んで学校を出た後、妹に連絡を入れ、持って来た服に着替える。
こちらの方が重要だから百合には今日は秋先輩のセクハラは耐えて貰うしかない。
百合に今日は部活を休むと伝えたら縋る様な目をされたので頭を撫でておいた。
何故か今日は素直に撫でさせてくれた。
調子に乗って顎もクイってしてみたら、はたき落とされた。
ーー
中学の正門に着くと部活動をやっている生徒が大半で帰宅する生徒はチラホラいるくらいだ。
何だかすれ違う生徒にやたらとジロジロ見られて落ち着かない。
スマホを見て妹の連絡を確認するともうすぐ出てくるらしい。
可愛い女子生徒が出てきたので声をかける。
「君可愛いね何年生?」
「え、私ですか?1年生ですけど何か?」
妹の同い年か、やっぱり自分が可愛い女の子だとそこまで警戒されなくて助かる。
「ちょっと君が可愛いすぎてつい声をかけちゃっただけ、ちょっと友達を待っててさ、少しの間話し相手になってよ、私理沙っていうんだけど、君の名前は?」
「そんな可愛いだなんて、藍といいます」
ちょっと照れて紅くなってる。
「藍ちゃんね、宜しくね、待ってる友達何だけどね、麻衣ちゃんって言うんだけど知ってる?」
「え、あの麻衣さんですか、勿論知ってますよ学校でも有名人ですから」
「何で有名人なの?」
「えっとまず入学初日に先生と殴り合ったらしいですし、あの容姿ですから男子生徒からの人気凄くて、先輩や同級生にもう既に何人にも告白されてるそうですが、基本無視で視界にも入れないらしく、女の子とは話すけど、態度は冷たいのに皆何故か麻衣さんの事を慕っているのて皆からは魔王様って言われてます」
魔王は無いわ、もしかしたら妹はイジメられてるのかもしれない。
「多分麻衣違いだと思うんだけど、他に麻衣って子はいないの?」
「1年生で麻衣って名前の子は一人しか居ない筈ですが」
うちの妹は学校で何をしてるんだろうか。
「ま、まあ麻衣ちゃんの事はいいとして澪さんって子は知ってる?」
「勿論、同じクラスなので良くお話しますよ」
「お、丁度いいね、今日麻衣ちゃんに澪さんを紹介してもらう予定なんだけどどんな子なの?」
「澪は一見真面目な子に見えますが、実際は結構悪戯好きで一緒に遊ぶと面白いです、後は多趣味なのかな?色んな事に興味持ってるみたいです」
「へぇ、楽しみだね」
そんな子ならイジメの線は無さそうだな。
「そうだ、藍ちゃんも今度一緒に遊ぼうよ」
コミュニケーションアプリのID交換してもらった。
「あ、来たみたい、麻衣ちゃん!」
妹が来たので声をあげて手を振る。
「あ、じゃあ私はこれで失礼しますね」
藍ちゃんが離れていくと代わりに妹と澪ちゃんがきた。
「理沙ちゃんお待たせ、こっちが澪だよ」
妹とは麻衣ちゃん理沙ちゃんと呼び合う様にしてある。
「麻衣ちゃんありがとね、宜しくね理沙だよ」
「澪です、なぜ私を?」
「ちょっと前に麻衣ちゃんと遊んでる時に見かけて一目惚れしてね、一緒に遊びたいなって思って」
「ひ、一目惚れ?私なんかを?」
「うん、私可愛い子に目が無くてね、麻衣ちゃんもそれで声かけたし、さっきは藍ちゃんともRine交換しちゃった」
色々考えてやりやすいと思ったのでこのキャラにした。
「たしかにさっき藍と話してたようだけど理沙さんって見かけによらずナンパ男みたいな人ですね」
ジトっとした目で見てくるが想定通りだから問題ない。
「それじゃいこうか、何処か行きたい所ある?どこでもよければカラオケとかどうかな?あ、呼び捨てでいいよ、後敬語も無しで、私もそうするし」
「ん、わかった、ちょっと買い物行きたいからりりぽーと行かない?」
「いいよん、麻衣ちゃんもそれでいい?」
「うん、理沙ちゃんの好きにしていいよ」
「・・・驚いた、麻衣さんって理沙の前だと全然違うんだね」
今ので違うって普段どんななんだよ。
「・・・因みに今日澪を誘う時にはどんな感じで?」
澪が思い出すように考える。
「突然帰りのHR入るとやって来て、なんの説明も無しに「この後暇?」って言って来て、暇って言ったら「友達と遊び行くから来て」って言われて、よくわからずここに連れてこられて、友達ってナンパ男とか不良だったら嫌だなと思ってたんだけど、可愛い女の子だったから安心したんだけど、やっぱりナンパ男みたいな女だった」
「そっか」
妹はそれで友達が作れているのだろうか。
「澪からみて麻衣ちゃんは普段はどんな感じなの?」
「違うクラスであんまり話した事は無いんだけど、まお」「澪?」
澪が話してる最中に妹がカットインした。
「ひっ、隣のクラスだから良くわかんない・・・」
取り合えず隣のクラスに対しても上下関係が発生してるのはわかった。
「まあいっかそれじゃあいこ」
ーーーー
取り合えず今日一緒に楽しく遊んでわかった事は、澪は結構お金使いが荒いことと、藍ちゃんが言ってた通り多趣味って事だ。
後、妹に従順なことだけど・・・これは関係ないだろう。
まあお金関係で家出の可能性が出てきたな、てか何となく思い出してきた。
単純にお小遣いを巡って親と喧嘩して、持ち前の好奇心で薬に手をだして、お金欲しさにパパ活と路上生活を繰り返し、そのままいつの間にか廃人になってしまう感じだったような気がする。
うーん、お金を渡すのは構わないんだけど理由が作れないな、それにその金を薬に使われても嫌だし。
まあ顔もわかってある程度面識も出来たし、後は当日尾行して薬渡される前に助けるか。
今説得してもきっとなんのことかわからずに無視されるだけだろう。
もし説得が出来たとしても、今後聡美の知り合いってバレた時にあの時はなんで急にそんな事を言って来たの?ってなり面倒な事になるのは目に見えてる。
だから直前で見つけたからその場で止めたって感じにした方が余程自然だ。
恐らくだが自分から進んで薬に手を出すような子じゃ無さそうだったし、その場の雰囲気に圧させて手を出す感じだろう。
まあそっちはそっちで何でその場に居たんだって話になるんだが、それは何とでも辻褄があう説明が出来るだろう。
まあ知り合いじゃない状態で直前に止めて催眠しても良いんだが、こっちの方が自然だし、何より折角だから可愛い女の子と知り合いになるっていう報酬があるからな。