表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/73

第18話 暴徒

 職員室での一件から1週間程経ったある日の休日、俺は荒れていた。


「オラッ!オラッ!ゥオラッーーー!」

 ガス!ガス!ガス!


 謎の機械の停止ボタンを足蹴にして押す。


「どーなってんだおい!」

 ドガン


 レバーを足で蹴り上げる。


「オラッ!オラッ!ゥオオオラッーーー!」

 ガス!ガス!ガス!


 年頃の娘が、ましてや美少女が出してはいけないような声をあげながら、人としてあるまじき暴挙に出ている。


「くそがぁあ」

 ドゴン


 周りの客もドン引きしながらこちらを見ているが気にしない。


 当然店員が駆け寄ってくる。


「お、お客様!遊戯台を蹴られたら困ります!御退店お願いします!」


 店員に詰め寄る。


「おい!どーなってんだこの店は、もう10枚目だぞ10枚目!それで都合が悪くなったら追い出すってか!店長呼べや!」


「すいません!すいません!店長は怯えていて呼べません!」


 店員が迷惑客のクレームに平謝りで対応する。


「店長呼べないってことはやっぱり遠隔してんのかこの店は、みなさーんこの店遠隔してるんで、即刻辞めたほうがいいですよー!」


 周りでドン引きしながらこちらを見ている客を見渡しながら呼びかけると、ふと一人の謎の機械に座っている客と目が合う。


 固まった。


 冴先生だった。


 即刻グリンっと店員の方に向き直りこそこそと話す。


「あの、ごめんなさい取り乱しました、これ迷惑料です、出禁にして下さい」


 店員に謝って、財布の残りのお札とICカードを渡し、そそくさと荷物をまとめてその場を立ち去る。


 店員は突如として変わった俺の雰囲気に唖然として固まっていた。


 店を出た所で肩を掴まれる、振り向かなくてもわかる冴先生の手だ。


 声を変えて振り向かずに話す。


「あ、あの急いで居るので離して下さい」


「いや、声は違うが何だか知り合いに似ている気がしてな、少し顔をみせて貰っても良いかな?」


「ナンパですか?止めてください警察呼びますよ?」


「ほーう、警察呼んで見ようか、はたして困るのはどちらかな?見たところ未成年が喫煙をしていたようだしなあ?」


「こ、こう見えて二十歳越えてます!教師とあろう者が人を見た目で判断してはいけませんよ!」


 言えないけどなんなら中身30越えてます!


「おや?いつ私が教師と言ったかな?もう無理だあきらめろ理沙、ここじゃなんだし取り敢えず私の車に行こうか」


「・・・・あい」


「まあ私もプライベートだし大事にしたくないからな、悪いようにはせんよ、理沙には借りもあるしな」


「ほっ、良かったです」


 素直に先生の車に連行される。


「私もな学生の時は色々やってたから、うるさくは言うつもりは無い、勿論学校に連絡が入ったりと公になったら別だぞ?その時は覚悟しとけ、まあ中学の時既にバレて公になっていたようだが、だけどあれは無いわ始め見た時はどこぞの暴徒かと私も震えたわ」


「そうですね、ごめんなさい、冷静になるとあれはダメだと私も思います」


「本当にな、気をつけろよ?あそこで大事になって困るのはお前だからな」


「はい、気をつけます」


「こうして話していると普通に素直な良い生徒何だがな・・・」


「期待値が私にケンカを売って来るんですよ、高設定示唆出てたからあの台、絶対高設定なのに10万いかれました」


「お前は何を言っている・・・?高設定示唆は低設定でも普通にでるぞ?いや、そうじゃない何処からその金が出てるんだ?流石に売春とかパパ活は看過できんぞ?」


「昔からコツコツ稼いでました、もうすぐ四桁万円いきます」


「お前色々と凄いな・・・、まあ変な金じゃ無いなら良い、いやこれも変な金になるのか?」


「合法ですよ、景品貰ってそれを換金してるだけなので」


「いやそれはそうなんだが、まあそれは良い、それでな今回の件とは全く、これっぽっちも関係無い話なんだがな?少しばかりお願いがあるんだ」


「・・・何でしょう?」


「これからも学校のサーバーの事で何かあったらお願いするから」


「今この場で話している時点で全然関係無くないですね、親に連絡しないと言うなら少しくらいなら大丈夫です、ママにバレると腹パンしてくるので」


「以前バレた時はそれで大泣きしてもうしないと言ったそうだな?」


「何処まで情報伝わってるんですか!まあそれで次の日から色々店を変えて打つようにしました」


「お前、全然反省して無かったのか・・・、因みに理沙の中学時代の情報は全て高校に上がって来てるよ、中学の先生たちはお前を要注意人物としてみてたようだ」


「反省したからあれからハイエナと罵声と台パンはなるべく抑えていたんですよ、あの人達にはお仕置きが必要ですね」


「あれで抑えていただと・・・?」


 驚愕の顔をする美人教師。


「まあまあ先生もう15時ですけどお昼食べました?良かったら一緒にどうですか?奢りますよ」


「そういや食べてないな、馬鹿者、生徒奢られる教師が何処にいる、私が奢るから行こうか、何か食べたい物あるか?」


「それじゃあこの前出来たお店行きましょう、この時間なら混んでないでしょうし」


「お、良いね、いこうか丁度理沙に別件で話したい事もあったしな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ