-良くない噂と綺麗な君-
大学1年の秋いつものメンバーで講義を受ける。大講堂の後ろの特等席で教授の話など聞き流し、携帯をいじるいつも通りの日々。インスタのDMで次の予定を決めるメールを書きながら、何をしているのかと一瞬我に返り、ボケっとしてると、前の女子たちの会話が聞こえた。
『お嬢...また新しい人と付き合ったらしいよ...』
『さすがお嬢だね...私ならそんなすぐには乗り換えられないわ...』
『ほんとそれ...ちょっと顔がいいからって調子乗ってるよね...』
『お金もいっぱいあるらしいよ...あの子変なのにも手でも出してるんじゃない笑...』
そんなくだらない貶しの会話だ。自分には関係ないためどうでもいいことではあるが少し不快だった。そもそもこういう噂話はあまり好きではない。本当かどうか分からない曖昧な情報が人を伝って拡散される。そうすると嘘のような話が自然と真実のようになっていく。そして、本来何もしていないかもしれない人が否定される。こんなくだらないことがあってもいいのか?そう思ってしまう。
こういう理由で噂話は嫌いだし、人に評価を噂話だけを鵜呑みにするような人間はもっと嫌いだ。まあ、だからこそ少し不快に感じたし、そういう噂話をする前の女子たちに嫌悪感を感じた。
まあ、しかしこ【お嬢】本名が分からないからこう呼ぶが、この人は様々な噂が飛んでいる。噂話でお嬢の名前を聞くのは初めてじゃなかった。大学入ってすぐ、同じグループの先輩を奪っただとか、夜の街で働いているだとか、彼氏が何人もいるだとか、くだらない話ばかり。ただ実際男どもには人気らしい、仲のいいグループでも気になっていると言っているやつがいるくらいには。まあこれらから考えられるには、妬みや恨みでありもしない噂が流れてるだけなんだろう。ただ、少しこのお嬢が気になった。
そんなこと考えていると講義が終わり昼休憩になったので、行きつけのお店にお昼を食べに行く。
そして、数少ない心許せる友達にふと聞いてみた。
「なあ颯太、お嬢って知ってるよな?」
「おう、知ってるけどどうした?....もしかして気になってるのか?」
「いや...そういう訳じゃない。ただ....さっきの講義中にまたお嬢の悪い噂が聞こえてきてな」
「あ〜。前の女子たちが話してたね。あんまり聞こえなかったけど、そんな酷かったの?」
「どうなんだろ? 新しい彼氏が出来たそうだ。まあ事実かは知らんがな。所詮噂だし。」
「....まあそれは置いておいて、噂になっているお嬢って誰なんだ? 名前は知っているが、それ以外何もわからん」
「まじ!?」
「まじ」
「けんちゃんそういうとこあるよね。」
「お嬢ね。本名は、白石桜良さんって名前でね。付属の女子高上がりの子らしいよ」
「色んな噂はあるけど、少なくても高校までは真面目でめっちゃ誠実な子だったらしいよ。実際にちゃんと喋っては無いから今は分からないけど」
「そういうことなら、同じグループだった太一に聞けばいいじゃん」
太一はお嬢?いや白石さん?まあまだお嬢でいいか。と春学期の企業プレゼンで同じグループだったらしく、お嬢に好意を寄せている。
「なあ太一。お前から見てお嬢はどんな感じなんだ?」
「えっ、桜良さん? うーん どんな感じと聞かれると難しいけど、噂とはだいぶ違うイメージかな」
「先輩を奪ったって噂があるけど、あれは先輩から告白したいたいだし、めっちゃ丁寧なお嬢様って感じ、」
「そして、まあ可愛いんだ!! また凛々しくて、仕事もできて............」
「ごめん、俺が悪かった。もうそこら辺でいいから。」
「もしかして、慎太郎も興味持ったの!? ただ、俺は負けないぞ!!」
「いやいや、そういう訳じゃない。ただ色んな噂があるから気になって聞いただけ。答えてくれてありがとな」
「もちろんよ!! 気にすんな」
こんな感じでお嬢に話は終わった。この会話中に写真も見せてもらったが、熱弁していたりお嬢と呼ばれるのもわかるほど綺麗な人であった。むしろなぜ今までこの人がいたのに気づかなかったのかと思うくらい存在感があった。まあただどの写真を見ても、なにか不思議な気持ちになった。
まあなんやかんやと色々あったが今日もいつも通り部活に行き、家に帰った。
初めまして!!
白色です
全然恋愛話に入らずくらい内容でごめんなさい
もうちょっと恋愛要素に入るまで時間かかるかもしれませんが気長に待って呼んでくれると嬉しいです。
また感想やブックマーク評価なのでモチベも上がるのでしてくれたら嬉しいです。